Design: Alessandro Mendini
Design: George Sowden
|
イタリアのデザインセンスが秀でているのは誰もが認めるところだが、同じ目的のために作られた製品でも、彼の国の物には独特のきらめきを感じてしまうのはなぜだろう。アレッシィの製品を見るとわかるのだが、それらは単なる形の美しさだけではない。大人のユーモアというのだろうか、この世に生まれてきた「生」を徹底的に楽しんでやろうとする「喜び」のリズムが脈打っている。その製品がそこにあるだけで、場のリズムがひそかに変わる、そんな力が備わっている。
アレッシィ家は、イタリア北部オルタ湖のほとりに、たいへん古くから伝わる旧家だそうだ。この渓谷は、18世紀頃から優れた金物製品を生み出す職人達のいる村として有名だったらしい。現在のアレッシィ社は、才能ある金属板工である祖父ジョバンニが、1921年に会社を興した所から始まっている。コーヒーポット、シュガーボウルなどの製品がイタリア全土で大ヒットして、アレッシィ社はたちまちのうちに国を代表する食器メーカーとなった。しかし、ここで保守的な路線に走らないところがイタリア人らしい。その後、アレッシィ社は次々と気鋭のデザイナー達を採用し、冒険的とも言える斬新なデザインを発表し続けている。
Macユーザにとって、デザインの美しさはかなり優先度の高い事項であるだろう。iMacがこれだけの反響を起こしたのも、いい意味で万人の期待を裏切るインパクトがそこにあったからに違いない。
|