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ワイヤレスLANってなんだ?
 iBookと同時に発表されたAirPort。無線LANということだが、果たしてそれは何者で、どの ようなメリットがあるのだろうか?
 LANはMacintoshではLocalTalkとともにあった技術で、PCとしては比較的進んだ技術だったが、現在10Base-Tなどを利用したLANが主流で、iMac以降Macの世界でも100Base-TXが導入されるようになってきた、といったところだ。LocalTalkをはじめ、10Base-Tも100Base-TXもケーブル抜きには語れない。LocalTalkでは、シリアルケーブルやトランシーバ、LocalTalkケーブルやモジュラーケーブル、10Base-Tや100Base-TXではツイストペアモジュラーケーブルが必要なのだが、ワイヤレスLANでは、「ワイヤ レス」というだけに、ケーブルがないのだ。ケーブルを用いない、もしくは用いない部分があるLANをワイヤレスLANという。
 ワイヤレスLANというのは、なにもスゴく新しい技術ではない。1対1のLANならば、IrDAというものがある。1対1でなくとも、IrDAでできるケースもある。コレと同じように、古くから比較的エンドユーザに近いレベルでは、赤外線を使った無線LANが主流で、Macでもケーブルの代わりに赤外線モジュールを使用する、というレベルの赤外線LANは使用可能だった。
しかし、赤外線にはおおきな欠点があったのである。それは、壁やその他遮へい物があった場合に光が通らない、ということなのだ。したがって、赤外線LANの場合のハブにあたる部分は天井に設置されていることが多い。上には遮へい物が少ないからで、方向を360度開放できるからである。ただ、この方法を用いても、結局、クライアントの赤外線端末は決まったところになくてはならないのであり、気軽に 動かすというわけにはいかなかった。では、これはもうなくなったかといえば、IrDAのように非常に近い位置で使うものに残っていたり、ビル間通信などのように間に遮へい物がなく、目標も動かない部分に使われている。なによりも低コストなのだ。


AirPortは電波だ
 では、高いほうはどんなものかといえば、電波を使った無線LANだ。それが今回のAirPortの 原形である。最近になって、エンドユーザレベルの価格帯に急激に降りてきたのである。電波は、テレビやラジオの電波でもわかるように、壁を通る。ましてや、本や机などと いったものならなおさらだ。したがって、iBookのように持ち運べるものに搭載できる、気軽な無線LANなのだ。赤外線に比べればコストが高かったこと以外、デメリットとなるものはない。赤外線がもっぱらケーブルのかわりに使われていたのに対して、無線LANでは、最新型の多くのものがネットワークカードとハブのかわりに無線機器を用いていることである。つまり、赤外線ではネットワークカードは別途必要だったものが、無線ではネットワークカードと一体化しているものが多いということである。ただし、この無線LAN、Macに対応した製品がほとんどなかった。Windows機用のものはPCIやPCカードといった、Mac対応のインターフェースをつかっていながら、ドライバが用意されていないだけで使えないものが多かったのだ。しかし、iBookとAirportによって、電波無線LANの世界がMacでも開けた、ということなのだ。
 ところで、電波、といってみなさんが思い浮かべるものはTV、ラジオといったものが最初ではないだろうか。そう、「誰もが見られる、聞くことができる」電波だ。光で流したら、オフィスの中にいる限り、壁などは通じないのだし、指向性が高いから、少し気をつければヒミツは守れる、しかし、電波は壁を通ってそこらへんに流れてしまう、ヒミツは大丈夫なのだろうか、ということなのだ。また、同じ物を使っていたら、相手の電波が紛れ込んでこないか、だ。TVでも、よく無線の声が紛れたりするのに。
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赤外線による無線LANは遮へい物に弱い 電波を用いた無線LANなら
遮へい物に強い他、場所も選ばずに使える


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