音楽館編

クリスマスが近づき「プレゼントはゲームソフト!」と子供にせがまれている家庭も多いのでは?とかく若年層だけでブームとなるソフトが多いなかで、子供から熟年層に至るまで幅広いファンを獲得しているのがトレインシミュレーションゲームだ。今回、探検隊が訪れた「音楽館」は音楽関係のマルチメディアソフトの開発とともに「トレインシミュレータ」の製作も行っているユニークな会社として知られている。今回の探検隊は、ふだんは見ることのできない「トレインシミュレータ」の製作現場を直撃・探検した。

徹底したこだわりぶりにびっくり!トレインシミュレーターはこう作る!
 東京急行新玉川線の桜新町駅は渋谷から4駅目。今回の探検地「音楽館」は駅から徒歩約5分のところにある。期待に胸を躍らせて到着した探検隊を迎えてくださったのは向谷実さん。向谷さんは音楽館の代表取締役であるとともに、バンド「カシオペア」のキーボーディストとしても活躍しているミュージシャンだ。プロのミュージシャンの放つスケールの大きい独特なオーラに隊員一同、緊張気味だ。まずは音楽館について活動内容の概要を説明していただいた。

 音楽館はもともとはその名の通り音楽関係の会社として15年前に設立。レコーディングスタジオの経営とスタジオ機材のレンタル、そして音楽関係の企画・プロデュースなどの活動をしている。ちなみに向谷さんは1982年にMacintosh512kを購入して以来ずっとMacを愛用していて、オフィスでも10台以上のMacが稼動している。
 ここで隊員から向谷さんに質問。「音楽館が「トレインシミュレータ」を製作したのは何故ですか?」音楽と鉄道。全く異なるジャンルの組み合わせだけに興味津々の隊員たち。「まさに雷鳴のようなひらめき(笑)。音楽以外で何か作れないかな、と考えた時に思い付いたのがトレインシミュレータだったんです」音楽活動としてカシオペアのCD-ROMを作ったときに、メンバーの映像にスイッチを付けて遊んだりするうちに動画の楽しさを実感し、もともと鉄道ファンだったこともあり、電車のシミュレーションゲームを作ろうと閃いたのだという。こうして企画を始めたのが1993年、そして製品として発売されたのは1995年。当初はMac版しか発売されていなかったが、現在ではWindows版も発売されている。

 ここで「トレインシミュレータ」の製作過程を簡単に教えていただこう。まず対象路線に専用列車を走らせて映像の撮影を行う。「電車のすれ違い映像には特にこだわっていて、この速度だとここでこの電車を先に行かせられるな、とか1カ月前からダイヤを見て計算するんです。安全に十分配慮して制限速度内で走行しつつ映像的にいいものを撮るのはかなり技術がいるんですよ」すれ違いに失敗したり雨が降ったりで撮影はかなり大変だとか。

トップへ戻る I 次のページへ