ホームページ制作現場を拝見。「Macで制作」ならではの悩みも
   エル・オンラインについての説明を受けた後は制作現場へと案内していただこう。ニューメディア課はエル・ジャポンのデザイン室の一角にある。室内ではデザイナーたちが次号にむけての作業をMacに向かって慌ただしく行っていた。室内は発売前の雑誌の写真や記事だらけで、出版社初体験の隊員たちは好奇心一杯であたりをきょろきょろ見回す。ホームページの制作はすべてMacで行っているが、「MacでうまくできていてもWindowsで見ると、レイアウトや文字が崩れたりすることもあるのが悩み」だとか。Windowsでも確認してはいるが、それでも「家に帰って家族のWindows機を使って見てみるとショックを受けることも(笑)」さて今後の展望については「オンラインショッピングの要望が多いので現在検討中です。その他にもチャットやメールなどもできるエルのコミュニティーを作っていきたい。それから雑誌情報を元にデータベースを作って、価値の高い情報を提供していきたいですね」さらに現在の都市中心の情報から、地方の人にも喜んでもらえる情報も取り込んでいきたいとのこと。ますますパワーアップするエルのサイトに期待を膨らませつつ、次はいよいよ「エル・デコ」編集室にお邪魔して、雑誌の制作についてうかがうことにしよう。

Macが並ぶエル・デコ編集部インテリア上達法を伝授!
  最後に案内していただいた「エル・デコ」編集部では一人一台のMacがフル稼動していた。現在は編集部内での原稿のやりとりなども全てメールで行っているという。入稿締切り直前の最もお忙しいときに隊員を温かく迎えてくださったのは、エル・デコ編集長の野々山豊純さんとアートディレクタの星孝さん。普段愛読している雑誌の編集長に直接お会いできるとあって、隊員たちも緊張することしきりだ。そんな雰囲気をやわらげるように編集長がエル・デコの編集について説明してくださった。エル・デコはエルのインテリア版雑誌として誕生し、今では世界16カ国で読まれているデコレーションマガジンだ。日本で創刊されたのは8年前、まだインテリアに対する一般の関心も薄いころだったが、それでもデザイナーなど「感度の高い人」のあいだでは人気を博してきた。現在ではインテリアに対する関心も増し、デザイナーのみならずライフスタイル全般を素
敵に飾りたい人たちの愛読誌として定着している。エル・デコの大きな特徴は世界中のエル・デコ編集者たちの目を通して集められた各国の記事がこの一冊に凝縮されているところ。インテリアの背景にある民族や文化までをも感じさせてくれるスケールの大きさが魅力だ。さてエル・デコの制作は編集会議から始まる。ここで編集者たちが「エル・デコらしさ」を追求した企画を出し合う。「エル・デコらしさとは何かは言葉ではうまく表せません。でもエル・デコらしさと決めつけることなく、常に何がエル・デコらしいのか考え続けていますね」さらに「実用的なリアリティー、年齢的なリアリティーも大事。買い替えるならこういうものをとか、いつかはこういう生活をしたいとか、こういう暮らし方・ライフスタイルもあったのかと思ってもらえるような切り口でとりあげたい」そしてインテリア以外にもファッションや料理など多彩なジャンルの情報を絡めながら企画を練り、担当者、カメラマン、スタイリストなどを決定し、取材や海外の雑誌からのピックアップなどを行う。
そしてでき上がった写真を見ながらMacでレイアウトを組む。「エル・デコではこういうスタイルがいい、などの提案は絶対しない。それは読者に誌面から読みとってもらうこと。だからこそ編集では、見て感じてもらうことを何より大事にしています。商品を撮影するときも、見ただけでその商品を十分に分かってもらえるよう工夫し、レイアウトやタイトルも見れば分かるように、といつも工夫しています」雑誌として応援したいのは、「いいものを持ちながらなかなか世にでてこられないデザイナーたち」だという。「ヨーロッパでは才能あるデザイナーはジャーナリズム等に応援されていますが、日本ではそういうことは稀ですよね。だから雑誌としてはそういうデザイナーをどんどん応援したい」と考えているそうだ。

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