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「秋葉原TV」というイベントを知っていますか?様々な最新鋭のテクノロジーがあふれる、世界でも類を見ない電気街をステージに、ユニークなアーティスト達の映像作品が集まるまったく新しいタイプのプロジェクトです。 店頭に並ぶテレビから、いわばゲリラ的に放映される突然のアート。昨年の大好評に続き、今年も3月16日〜29日の14日間その第2段が開催されています。 このイベントに2年連続で作品を出展しているイギリス人アーティスト、ピーター・ベラーズ氏が今回の登場人物。 彼のウイットあふれる作品には、実は数多くの謎が隠されいているのです。 さて、皆さんはその謎の答をみつけるでしょうか?

ピーターさん プロフィール...
ピーター・ベラーズさん/Peter Bellars

1959年、イギリス生まれ。 ロンドンでファイン・アートを専攻した後、1985年、来日。
複数の大学で講師を勤める傍ら、美術評論家としても活躍している。
しかしその本業はアーティスト。日本の広告やマーケティング手法に鋭い視点で切り込み、ユーモアあふれるアート作品として表現してきた。
表現方法は、ペインティング、オブジェ、モンタージュ、映像とジャンルの枠はない。現在はインターネットを使ったインタラクティブな作品にも臨んでいる。
すばらしい日本語を話す。


ピーターさんの作品は、現代の日本をユニークな視点で取り上げておもしろおかしく表現しているものが多いですね。

 外国人である私達の目から見た日本の社会はとてもおもしろく映るんです。
文化のギャップによって見える事があるんでしょうね。そういう、この国の変なところとか、変わっているところを見せたい。私は、どこがおかしいのか一見するとわからないものが好きなんです。いい意味のトリックみたいのがあって、わかる人は「ああそうか」と思うし、わからない人は「あはは、これおもしろいね、かわいいね。」で終わりでOK。時には「ふーん」で終わってしまうかもしれないけれど。見る人に考えさせたいというのがある。だから作品はおもちゃっぽく作るものが多いですね。だって日本の子供のためのおもちゃっておもしろいですよ。お医者さんごっこのセットに何が入っているか見てみたら、注射とか、聴診器と一緒に胃薬が入っているんです。これはイギリスには無い。そこに社会の違いが現れているんです。この間、駄菓子屋さんに行ったら、携帯電話のお菓子があった。このお菓子の名前はパロディみたいで、ドコモをコドモにしてある。かわいいけど名前は出さない、でもみんなわかる。そういうことがおもしろいんだよね。僕の作品は、ぱっと見てもわからないように作っているから、一度作品の意味を知った人は、次の作品を見るとき、いやもっと裏があるんじゃないかとか必ず考え込むようになるらしいです。
 去年の秋葉原TVでは、「Massage」という作品を出しました。これみんな最初は「Message」だと勘違いするんです。そうなるようにわざとつけたんだけど。そしたら案の定、外国の新聞が「Message」という 名前で掲載したから、思わず「やった!ひっかかった。」と喜んでいた。(笑)日本ではあっちこっちで英語が使われているから、それを使って遊んでみようと思って。「Massage」では日本の雑誌をモチーフに使っています。全て日本語の雑誌なんだけど、雑誌の名前は英語なんですよね。この雑誌を並べて名前を続けて読んでいくと、何かのコンセプトを伝えるメッセージみたいでしょ。
すべてはみんなメッセージ。メディアをマッサージしてメッセージが出る。

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