日本が世界に誇る文化、と言われるほど成熟しているのが日本のアニメーション。
毎年いくつもの大作・名作が発表され、 大きな話題を呼んでいる。そのアニメーションの制作の現場でもフルに活用されているのはやっぱりMac!今回お話をうかがうのはアニメーション監督であると同時に、漫画家としても活躍されている 今 敏さん。今さんとMacのかかわりや、アニメーション制作に おけるコンピュータの活用法、さらに現在制作中のアニメーション映画「千年女優」についてのお話をうかがった。


まず、Macを使い始めたきっかけから教えてください。

 初めて監督をした「PERFECT BLUE」という作品で、手描きでは処理しにくい素材に対して加工を施したいと思ったことと、またその作品の中で主人公がパソコンを使うという設定だったことなどがきっかけで、それまでは私自身は全くパソコンに関しては無知だったのですが、主人公にあわせて自分もパソコンを使おうと いうことでMacを買って、それで自分がMacだから主人公にもMacを使わせよう(笑)、 ということになったのがMacとの関わりの 始まりですね。その後、自分でホームページを作ったことがきっかけとなって、それまでは 文章を書くのは苦手だと思っていたんですが、テキスト打ちに目覚めてしまいましてね。パソコンは文章に対する苦手意識を見事に克服 させてくれましたね。
Satoshi Kon
今 敏さん


1963年北海道生まれ。
武蔵野美術大学在学中にヤングマガジン(講談社)誌上で 漫画家としてデビュー。単行本に「海帰線」「ワールドアパートメントホラー」(共に講談社刊)。アニメーション参加作品に「老人Z」「走れメロス」「機動警察パトレイバー2」 (美術設定・レイアウト)、「MEMORIES/彼女の想いで」(脚本・美術設定)、OVA 「ジョジョの奇妙な冒険/第5話」(脚本・絵コンテ・演出)など。 1998年、初監督アニメーション作品「PERFECT BLUE」を発表。現在、2000年 秋の公開に向けて長編アニメーション「千年女優」を監督。


表現のアウトプットの 方法が漫画や文章というように変わっても、 自分の中の発想は変わらないということに 気付いたんです。苦手意識というと、カラーの絵も得手ではなかったがパソコンだと試行 錯誤ができるので不得手を実感しなくなり ました。ただ、どこで終わっていいのかが分からなくなってしまいますけど(笑)。

お仕事ではどのような場面でMacを使われているのですか?

 アニメーション作品の中で、部屋にポスターが飾ってあるような設定があるときなどは手描きではこのポスターの雰囲気を出すのは大変なんですよ。斜めにしたり、パーツにあわせて変形させたり、カットが変わるごとに全部描き変えないといけないので手描きではなかなか上手くいかないんです。こういう場面ではMacは力を発揮しますよね。一度作ってしまえば 後は使い回しがききますからね。当初はこの程度のことが出来ればいいと思ってMacを 導入したんですが、使い出したらいろいろ使いでが出てきて、今では人の走るシーンを実際の人間の動きから取り込んだり、下描き段階で カットのシュミレーションをしたり、或いは 手では描けないものを描くためのツールとして使っています。