今回ご紹介する深津好一氏は、平面のいわゆるグラフィックデザインから3D CG、あるいは立体物のプロダクト デザインまでをこなす、新進気鋭のグラフィックデザイナーだ。 そして、その仕事の幅広さは、そもそも美大在学時にMacintoshに出会ったことに由来するという。深津氏のMacintoshとの 出会いを含め、深津氏のデザインワークとMacintoshの関わりについてお話を伺った。d
深津 好一さん/Kouichi Fukazu
1971年栃木生まれ。多摩美術大学美術学部第二部デザイン学科在学中にMacintoshと 出会い、学生時代のアルバイトや卒業後入社した一級建築士事務所、(株)ディア・アソシエイツを通じ、グラフィックデザイン、3D CG、CAD、写真合成などを学ぶ。95年より明星大学にてプロダクトデザイン専攻担当実習指導員として学生にプロダクトデザインの基礎技術を教える傍ら、フリーのデザイナーとしても活動を開始(明星大学は今年2000年に退職)。CDジャケットやポスターなどの平面デザインから時計やゲーム筐体など立体物のプロダクトデザインまで、独自のデザインノウハウを活かした幅広い仕事を手掛ける。


深津さんとMacintoshの出会いについて、お聞かせください。

 1990年頃、まだ多摩美術大学で環境デザインを学んでいたときなんですが、大学にMacルームができたんです。まだ学生3人に1台という環境でしたが、ごく初期のIllustratorを使ったデザインの授業というのが、Macintoshに触れた最初ですね。

環境デザインを専攻されていたということですが、Illustratorでいわゆる「設計」をされていたん ですか?

 アニメーション作品の中で、部屋にポスターが飾ってあるような設定があるときなどは手描きではこのポスターの雰囲気を出すのは大変 大学も2年までは割と分野に関係なくデザイン全般を学ぶことができたので、そのときは平面 のグラフィックデザインを、架空の広告制作などを通じて教わったんです。ただ、そのとき制作した広告がMdN誌(註:Macintoshを中心としたコンピュータグラフィックデザイン誌)に掲載されたのをきっかけに、当時としては珍しかったんですが、Macintoshをフル活用している出版関連の 会社にアルバイトに誘われ、そこで3D CGと 出会ったんですね。同時に大学も専攻過程に 入って、立体や環境のデザインや設計をIllustratorでやってみるようになり、段々Macintoshがデザインの道具になっていったという感じです。