| オフィスに並んだ60台以上のMac |
「元々、Macを使っていたんですよ。それ
こそSEとかの時代から。まだレイアウト
ソフトも無くて、CADソフトをレイアウト用に入れて使ってたんです。ずーっとMacを使っていたこともあって、新たにWindowsやUNIXを導入するとお金がかかりすぎ
るし、何より、Macユーザの人に気軽に
見てもらえるサイトを作りたかったんです」
清永氏の言葉どおり産業編集センターの
オフィスには、ズラリと60台以上のMacが並んでいる。「えいがなび」も、サーバは
もちろんムービーの取り込みや編集は「Final Cut Pro」、圧縮は「Media Cleaner Pro」、オーサリングは「MacroMedia Flash」や「DreamWeaver」と、作業は全てMacで行われている。
「アップルの広告でムービーの配信も簡単にできるみたいなことを言ってたんで、すぐ飛びついたんですよ、Mac OS Xサーバ。日本では二番目の購入者だと販売店の人が言っていました。でも、これが最初は全然わからなくて。サーバを構築しませんか、
という営業の電話なんかもよくかかってくるから、そういう会社に頼んだりしてみたんですけど、最初は『できます』と言うのですが、結局Mac OS Xサーバが分かる
スタッフがいないということで、UNIXに
しませんかみたいなことを言われました」
そんな状況の中で、あくまでもMacに
こだわったからこそ「えいがなび」の、Macユーザに快適なストリーミング再生技術が完成したわけだ。実際、これからの業務としてMacによるストリーミング放送の技術提供も行っていく予定もあるという。
「ストリーミングで一番手強いのは、
ムービーの圧縮とストリーミング用の
書出しの設定なんですよ。Final Cut Proにも、ストリーミング用の書き出し機能があるんですけど、あんまりキレイじゃなくて、Media Cleaner Proも
デフォルトの設定では、イマイチなんですよね。それで、圧縮はどの程度圧縮
するんだとか1秒間に何コマで再生するのかとか、何通りもの設定がある中で
試行錯誤を重ねて、やっとこれで行こうというのが見つかったんです。他のストリーミングのサイトのムービーと比較
したりもして、現在は、かなり画質の
良いものを提供できていると思います」
ムービーをストリーミング配信するために、サーバの管理からムービー圧縮まで
一通り勉強したという矢田さんの話は、何だか楽しそうでさえある。かなり
大変だったはずなのに。このあたりが、
「楽しいことをやりたい」という社長のポリシーの反映なのだろう。
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| テレビのように
動画を楽しめるデザイン |
「えいがなび」は、QuickTimeに
よるストリーミング放送の柔軟性を活かして、予告編を見ながら次の映画を探す、といったことが一つのウィンドウの中で行えるように作られている。
「映画の配給会社の人には、インター
ネット上で予告編が見られるという
サイトが既に色々あったから、既存のものとどこが違うのと聞かれることが多かったんです。それで、QuickTimeのストリー
ミングで、予告編を流しているところっていうのは、はっきり言ってなかったんですね。そういう説明もするんですけど、技術的な話になってしまうんで、配給会社の方に
してみれば、ぴんと来ないわけですよ。
ストリーミングだからこそできることを
目玉にして特色を出そうと考えたんです」
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ストリーミング放送の制作工程を 見学する隊員 |
映画の予告編はFinal Cut Proで
取込み・編集している |
デザインや技術的な質問に答えてくださった
鈴木さんと宮原さん
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