音楽シーンの中で1990年代を象徴するもののひとつとして、テクノムーブメントを挙げることができる。テクノロジーを多用したその音楽性だけで なく、1960年代、70年代のヒッピームーブメントを思わせるような「人の集ま り方」も、テクノムーブメントの特徴だが、その中で、日本に限らず世界中のイベ ントでさまざまな視覚表現を手掛けてきたのが、Organixというチームだ。またOrganixは、そうしたイベントでの活動に限らず、グラフィックデザインから洋服のテキスタイルデザインまでさまざまな表現活動を行って来たが、そのメンバーのひとりである安東茂樹氏が、新しい「和」を提案する「西郷山プロジェクト」を開始した。「西郷山プロジェクト」の中心メンバーのひとりでもある坪井清人氏も 交え、Organixと西郷山プロジェクトに ついて、お話を伺ってみよう。
安東茂樹さん (写真 右)
1968年東京生まれ。92年よりグラフィックデザイナーとして活動を開始したのち、95年、グラフィックアー ティスト集団「organix」を曽我部淳、内山克佳らと 結成し、コンピュータを駆使した視覚データの制作を開始。CDジャケット、広告、世界各国におけるテクノイベントのフライヤーやポスターへ絵とデザインを提供する。また96年より、ヨーロッパ、アメリカ、南アフリカなどでのテクノイベントを中心とした空間デザインを開始。テクノサウンドとシンクロした独特な空間装飾を演出する。97年には「ISSEY MIYAKE MEN」 98年春夏コレクションにおいてテキスタイルをはじめ、ショーのインビテーションカードやカタログ等を含めたトータルデザインを展開した。個人的な活動としては、東京渋谷にあるレコードショップ「グローバルチ レッジ東京」の内装デザインや企業のシンボル マーク、レーベルロゴタイプ、CDジャケット等のデザインを手がけている。

坪井清人さん(写真 左)
1961年静岡県富士宮市生まれ。ヘアデザイナーとして全日本カットコンテスト優勝などを多数の賞を受賞後、86年渡英し、ロンドン「ヴィダルサスーン アカ デミー」に在籍。またHAPPAERS BAZAAR、THE FACEをはじめとしたエディトリアル、CM、ファッションショーなどに携わる。86年に帰国し、日本各地で ヘアーショーやセミナーを行ったのち、94年「ラウンド」設立。マルチアーティストとしてメイクアップで取得したカラーグラデーションをいかし、石彫、エアーブラシ、細密画法で個展活動を始める。現在、東洋と西洋をアンビエントな和で演出する空間デザイナー集団 「西郷山プロジェクト」を率いる。


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