山辺浩一さん
1964年東京出身。高校一年生の時点で、アニメーション制作会社の少年企画ブレインに参加。現在のキャラテックの前身となる仕事を開始。大学入学と同時に、最初の会社を設立。週間少年ジャンプを皮切りにアニメーションの企画や雑誌の企画などを手がけながら、序々に、現在のキャラクタービジネスへとシフトする。本誌でもイラストで活躍している石川浩二氏とは、小学校時代のマンガ仲間でも あるそうだ。




キャラクタービジネスのチューニングという他に類のないビジネスを展開している、キャラテック。業務内容は新しいキャラクターのムーブメントオペレーションスケジュールから、大手書店チェーン店頭の展開プランまで手掛けるという幅広さだ。その所長である山辺浩一氏は、今でもかつてAppleがPDAという概念を提唱し、それを元に制作した、正にPDAの元祖ともいえる「Newton」を仕事に使われているという筋金入りのApple者(しかも、Newton無しでは仕事にならないという現役ぶり)。そのお話には独自のMac感があふれている。


キャラテックでは、キャラクタービジネスのどの部分を担当されているのですか?

 うちの仕事というのは、世間でうちしかない みたいですね。一番多くやっているのが、マンガ作品や雑誌の企画のバックアップをするという ことです。編集者さんは、作家さんを相手に、 物語中心に作品を建て直すんですけど、うちでは、外側から作品のキャラクターを使って、こういう風にムーブメントを起こしていったらどうかとか、こういう商品企画がいいんじゃないのかという ことをプランニングして実行していくんです。 つまり、版権ビジネスの元になる設計図を描くという仕事ですね。例えば、今度この作品をアニメーションにしたいんですけど、という話があったときに、どうすれば一番人気が出るかを考えるわけです。そうして、この時期から仕込みを始めて、雑誌の情報はこの時期に出して、アニメの告知はこれくらいから開始して、商品は何月までに間に合わせようといったスケジュールを作るんです。あと、作品の元気がなくなってきたときに、こう いう考え方で、こっちにも逃げ道があるよとか、こうするともっと面白くなるよとか、いろいろ パターンを出してあげたりとか。ゲーム会社や、おもちゃ会社、テレビ番組の制作会社といったところからも発注が多いですね。他に無い仕事なんで何でも屋さんになりがちなんですよ(苦笑)。