使いやすいように設定を変更する

 上述したように操作環境ががらりと変わったMac OS Xだが、もちろん個々のユーザの好みに応じて、使い勝手を変えることは可能だ。  たとえばDockは、起動中のアプリケーションがピョンピョン飛び跳ねたり、マウスカーソルで指し示すと拡大表示されたりなど動きが賑やかだが、長く使っていると結構鬱陶しく思えて来るかもしれない。その場合は、システム初期設定→Dockでこれらの目に付く動きを切ることができる(ただしウィンドウの最大化/最小化の際の、妖怪の一反木綿のようなアニメーションは、切ることができない)。

 また自分のホームなどよく使うディレクトリへの移動は、Finderのウィンドウに用意されたツールボタンのクリックで行えるが、このツールボタンもカスタマイズできるようになっている。

 ちなみに新しいFinderでは、アイコン表示の場合はフォルダを開くと同じウィンドウ内にその フォルダの内容が表示されるが、従来のMac OSのようにフォルダを開く度に新しいウィンドウを開きたい場合は、ウィンドウ右上のボタンをクリックし、ツールバーが表示されていない状態にすればよい。フォルダ間の項目の移動/コピーなどを行う場合は、こうしておいたほうが便利なことも多い。


クラシック環境の使い方

 Mac OS Xをより実用的に使おうとする 場合、決して避けて通れないのが、Classic環境の利用だ。Classic環境とは、Mac OS X上でMac OS 9.1を利用する環境のことで、ほとんどのMac OS 9.1以前のアプリケーションを利用することができる。Mac OS Xが真に実用的な環境になるには、ネイティブ対応したアプリケーション(Carbonアプリケーション)の充実を待つしかないが、その前にMac OS Xをメインに使いたいというなら、Classic環境で従来のアプリケーションを使うほか道はない。

 ちなみにClassic環境は、Mac OS 9.1以前のアプリケーションを起動すると自動的に立ち上がるほか、システム初期設定→Classicから起動することも可能。今回試したところ、ハードウェアに依存するアプリケーションは使えないケースがほとんどだったが、テキストエディタ、グラフィックソフト、オフィスアプリケーションなどは大抵使えたし(インターネット関連もOK)、テキストエディタのように元々が軽いソフトなら、日本語入力は却ってClassic環境を使ったほうが快適だった。

 ただし、シリアル番号の入力が必要なソフトウェア(Microsoft製品など)に関しては、既にMac OS 9.1以下の環境で登録済みでも、Classic環境で起動する際に再度入力を求められる場合がある点、注意したい。


Classic環境でPhotoshop、ファイルメーカーPro、Jedit 2.0などを開いたところ。思ったよりも快適に動作した。ことえりの操作パネルが旧バージョンである点にも注目


インターネット環境の整備

 Mac OS Xを実用的に使うという点でいえば、Classic環境と並んでインターネット利用も即実用となる利用法だろう。Mac OS Xには一応Internet ExplorerのCarbon版(5.1ベータ版)やメールソフト(Mail)が付属しており、基本的なインターネット利用は行えるようになっている。もちろんインターネット接続の設定も可能だ(ダイヤルアップはもちろん、ADSLにも対応している)。

 ただし、インターネット接続に利用するポート(モデムポート、プリンタポート、Ethernetポートなど)ごとにひとつずつしかインターネット接続設定を行えない点は注意が必要。また付属のMailは、既に各Mac誌などでも詳しく報じられているが、安定性、使い勝手ともに、まだ実用的とはいいがたい。メールソフトに関しては、ベータ版ながらArena Internet Mailer 2.1 Beta1(ARENA PROJECT http://www.arena-p.co.jp/)やSweetMail 2.08 d22(Ichise http://www2.ttcn.ne.jp/~sweet/)といった使い勝手のよいシェアウェアのCarbon版メールソフトが既にリリースされているので、そちらも注目したい。


 
インターネット接続の設定は、
システム初期設定→ネットワークから行う


ユーザ個々の好みにもよるが、長く使う場合はDockの動きをシンプルにしておいたほうが疲れない


ツールバーには、よく使うディレクトリをユーザごとに登録しておくことができる


ツールバーを非表示にすると、フォルダを開くごとに新しいウィンドウが開く、従来のMac OSと同じ操作性を得ることができる


Classic環境は、Mac OS 9.1以前のアプリケーションを直接起動するか、システム初期設定→Classicから起動する


最初にClassic環境を起動する場合は、Mac OS 9.1にシステムファイルが追加される。したがって、Classic環境専用のMac OS 9.1パーティションを作成しておき(Mac OS Xと同じパーティションでOK)、最初の起動時はシステム初期設定→ClassicからClassic環境に用いるMac OS 9.1ボリュームを指定するのが無難


Classic環境を起動する際に機能拡張マネージャを立ち上げ、無駄な機能拡張を省いたり、あるいは機能拡張を読み込まないキーボードショートカットを登録することも可能


Internet Explorerを使う場合、これまで使っていたお気に入りは、Mac OS 9.1以前のシステムフォルダ→初期設定→Exlorer内にある「Favorites.html」を、Mac OS XのUsers→自分の名前のフォルダ→Library→Preferences→Explorer内にコピーすれば、図のように利用できるようになる


サードパーティ製のCarbon版メールソフトなども続々登場しているので、ぜひ利用しよう。図はArena InternetMailのCarbon版