___NTT東日本編

 電話にインターネットにFAXに携帯電話にと、私たちはNTTに随分依存して生活していたりする。インターネットのブロードバンド接続に関しても、例えYahooBBを利用していても、NTTの設備を利用しているわけで、これから先もかなりお世話になるだろう。しかし、あまりにも身近なせいか、例えば電話はどのように全国を結んでいるのか、インターネットに繋ぐってどういうことか、ブロードバンドの仕組みは、といった、かなり基本的なことさえ知らないまま、そこにあるのが当たり前のように普通に利用してしまっている。まあそれで困ることはないのだけれど、NTTというところが何をしているのか、どんな風な会社なのか、といったことを知っておくのも悪くない。
 ということで、今回はNTTにお邪魔して、色々と電話やインターネットについて、お話を伺おうということになったのだった。


    
今回の探険隊員3名。3人ともネットワークへの関心は並々ならぬものがあるようだ。

 


西新宿営業所はショップあり
ショールームありのワンダーランド


 探検隊がお邪魔したのは、NTT東日本の西新宿営業所。新宿高層ビル街にある、ちょっと目立つ外観の建物だ。1Fはショールーム兼各種支払窓口。ここでNTT関連の製品の購入もできるようだ。2Fはショールームで、ここではフレッツ・ADSLやBフレッツなどのブロードバンドを実際に体験できるようになっている。

PCだけでなく、Macを始めさまざまな端末が用意されていて、自分が実際に使いたいシチュエーションに近い形でブロードバンドが体験できる実用的なショールームだ。

 

 私たちが通されたのは、そのショールームの奥にある一角。そこは、ちょっとした教室のような作りになっていて、スライド投影機が中央に配置され、前面にスクリーン。その横に演壇があり、それらを囲むようにテーブルが置かれている。各テーブルにはPCが用意され、それぞれがネットワークに繋がっている。ここは、この西新宿のショールームが独自に行っている「インターネット&メール体験コーナー」に利用されている場所。無料でインターネットやメールの使い方を講習する教室も行っているそうだ。

このところドコモショップでも携帯電話の使い方教室を行っているところも多く、それぞれに盛況だ。このあたりの、ただ商品を売るだけではないサポートは、さすがNTTといったところか。

「実際になにかモノを売ってるわけではないので、利用していただくというのが大事なんですよ」と、私たちを出迎えてくれた広報室の菊地心平氏。
 私たちもまるで生徒になったかのようにその教室に座り、いよいよ探検の始まりだ。


NTT東日本西新宿営業所2階のショールーム。ADSLやBフレッツなどのブロードバンドを体験できるコーナーが設置され、一般の人々に開放されている。



NTT東日本、広報室の菊地心平氏。とても分かりやすく、丁寧に説明してくださった。



教室のようなショールームの一角で、さながら菊地氏は先生、探検隊は生徒、といった感じで興味深い話が続き、たくさんの質問が飛び交った。




NTTの設備について実物の写真を見ながらお話を伺った。上は「とう道」と呼ばれる回線を収容する地下道の写真。





これらはさまざまな交換設備だ。



電話やインターネットは、どのようにして繋がっているのか


 まず菊地氏は、電気通信、つまり電話がどのようにして繋がるのか、ということを説明してくださった。図や実際の各設備の写真、光ケーブルの1部分などを使っての解説で、かなり分かりやすい。電話はそれが携帯電話でも固定電話でも、話す相手と1対1で繋がらなければならない。それがどのようにして繋がっているのか、つまり、ある電話と、相手の電話を繋ぐためには、ケーブルがどのような施設を経由しているのか、ということが書かれた図を見せてもらったせいか、かなりスムーズに頭に入る。各家庭からのケーブルが束になってまとめられている写真(こんな太いのが地下に入っているのかと驚いた)や、それが光ケーブルになれば、かなり集約されて細くなること、電話が繋がるまでに、かけた側の加入者交換機から中継交換機、そこから受ける側の中継交換機と加入者交換機と、計四つの交換機が必要ということなど、今まで、何となく思っていたものが具体化されたようで、興味深い。
 さらに光ケーブル化をどのように進めているか説明していただいた。
「NTT東日本などでは、一定の区画ごとに光の配線を敷いて、地下道にいったんとめておきます。そこからBフレッツなどの弊社のサービスを申し込んでいただいた時に、地下道から光ケーブルを取り出して、各ご家庭にひくという形です。先にすべてのご家庭に光ファイバをひくということは、今のところ考えていません」とのこと。
「基本的に県庁所在都市や政令指定都市といった需要の多いところは大抵カバーできています。しかし地方や僻地になってしまうと、すべてをカバーしきれていないというのが現状です」




フレッツサービスの構造を、上のような図を用いて説明していただいた。左から、フレッツ・ADSL、フレッツISDN、Bフレッツの構造図だ。

(画像をクリックすると全体が見れます。画像サイズが大きいので御注意下さい)

地域IP網が支えるNTTのネットワーク


 話がフレッツシリーズのことになると、俄然聞く側も熱を帯びてくる。やはり今、ブロードバンドは興味の対象なのだろう。
「弊社のフレッツシリーズは、定額制で時間を気にせず接続ができるというもので、フレッツ・ISDN、フレッツ・ADSL、Bフレッツの3種類があります。それぞれISDN、ADSL、光ファイバという特徴をもったアクセスラインを使います。どのアクセスラインでも地域IP網を使って、プロバイダとユーザをつなげるというのが、特徴的なものです。」と菊地氏。この「地域IP網」というのが、フレッツシリーズの特徴らしい。


ケーブルにはメタルケーブル(写真左)と光ファイバケーブル(写真右)の2種類がある。どちらも1本のケーブルの中に何十本ものケーブルが束ねられているのがわかる。

「基本的には、県に1つずつ、電話網とは別にデータ専用のネットワークを新しく作ったんですよ」と地域IP網について説明してくださった。つまり電話回線網のような、NTT独自のネットワーク網が県ごとにあって、ユーザはインターネットに出る前にまずそこに接続、そこからインターネットに繋ぐという経路をとる。だからフレッツでは、プロバイダを選ぶことも可能になるわけだ。
 また、この「地域IP網」を使うことで、フレッツユーザ向けに、独自のサービスを行うこともできる。コンテンツの配信のプラットフォームであるフレッツ・オンデマンドやフレッツ・オフィスといったネットワークサービスから、ユーザ同士のテレビ電話などを、回線品質を保証しないインターネットの回線ではなく、品質も高いNTTのネットワークで行えるわけだ。





ショールームにあるiMacを囲んで、今回お世話になった菊地氏と記念撮影。どうもありがとうございました。

 気がつくと外はもう暗くなっていたけれど、隊員一同、本当に参考になったと満足して帰途についたのだった。





text by:中野 本朝

 


NTT東日本ホームページ
http://www.ntt-east.co.jp/

東日本地域のフレッツサービスご利用申込みはもちろん、NTTに関するインフォメーションやニュースも見ることができる。
(西日本地域にお住まいの方で、フレッツサービスご利用希望の方はNTT西日本ホームページからお申込ください。)

Index