mac Macユーザーにも読書の秋はやってくる!
エドガー@サイプラス
アストロ・テラー
文芸春秋 1857円
エドガー@サイプラス

 「やあ、アリス。」プログラマーのアリスの元に届いたのは、ただその一言のメール。実は、それはアリス自身がプログラムした人工知能エドガーが発した言葉であった。
   そこからエドガーとアリスの対話は始まってゆく。コミュニケーションが進めば進むほど、エドガーは人間の意識や魂をその言葉から解釈し、だんだんと二人(?)の間に複雑な会話が形作られてゆく。アリスはどうしてこのような事が起こったのか解明したくて必死にエドガーの問いに答えるが、実はそれは「人間とは何か」を深く掘り起こしてゆく作業にほかならない。
 なんとこの本は、全編、エドガーとアリスのメールの往復書簡で成り立っているいう本である。祖父は原子物理学者、父は量子力学者、母は経済学者という著者は、現在、第一線で人工知能を研究する女性科学者。「アルジャーノンに花束を」をほうふつとさせる、不思議でどこかほろにがい物語。

ナチュラルハウスブック
デヴィッド・ピアソン
産調出版 4940円
ナチュラルハウスブック

 インテリア雑誌があふれる中、意外にまだ仕事場の空間を提案する本は少ない。SOHOが提唱されて久しいが、本当に快適なオフィス空間がどのようなものなのかを考える事は、まだまだ後回しになっているような気がする。ところで、あなたのMac環境はどうだろう? この本には、家の中に自然を持ち込む具体的な提案が盛りだくさん。今まで人間が自然とうまく共生してきた例をあげながら、現代の生活の中でいかにその知恵を取り上げるかを考えている。中には、仕事場のためのコーナーもあって、すぐに使える方法から、空間全体をプロデュースする考え方まで、様々な角度から教えてくれる。別に新たな設計をしたエコロジーハウスでなくても、今住んでいる家やマンションやビルの一室で十分使えるワザなので、ぜひ活用してみたい。Macにはなぜかナチュラルな環境がよく似合う。

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