MAC FREAK FILE

Mac発売当時から、ほぼ全ての機種を入手して手元に置いているという特異な方がいらっしゃいます。今では伝説となったあのマシン、限定発売されたあのマシン、そしてみんなが親しんだあのマシンも、全て立野氏のお宅には現存しているのです。その業績(?)が認められ、97年12月のMacFan Expo in 関西に続いて来年2月に行われるMac World Expoでは、立野氏の歴代コレクションが展示されるそう。まるでアップル社の歴史を見るかのようなそれらのMacの山の中で、一足早く、お話をうかがいました。

立野さん
〜プロフィール〜

立野 康一 (たての こういち)さん
マッキントッシュ・アドバイザー
立野モータース 代表取締役


立野さんはMacの蒐集家として有名ですが、お仕事は何をされているんですか?
 一応、自動車整備工場の経営をやってます。よく言われるんだけど、別にMacをコレクションしているわけじゃないんですよ。Macを買うじゃない、それで、便利だし使いやすくって、慣れちゃうとかわいくなっちゃうから、次の機械を買っても離せなかっただけなのね。それがこれだけになっちゃっただけの話で、自分ではコレクションしている気はないの。だから、見てもらえばわかるんだけど、みんな汚いのね。 汚いのはほこりで汚れちゃってるんじゃなくて、使って汚い。ただ、無くなると困るけど。

かわいい子どものような感じですか?
 そうそう。Mac自体も好きなんだけれども、Macの哲学が好きなのね。アップル社の考えるコンピュータと人間のつきあい方が好きなわけ。開発者達と使う側のコミュニケーションのあり方というか。そのコミュニケーションの中にMacというハードウェアが存在するわけで、その考え方が好き。

実際にはどんなことに使われるんですか?
 何でも使いますよ。完全に僕にとっては文房具。完全に生活必需品。絵描きさんにイーゼルが必要な様に、僕にとっては何をするにも必要なアシスタント。実際、立野モータースという会社でも、お客さんの管理から、請求関係、仕事に携わってコンピュータに置き換えられることはすべてMacでやる。自分自身にとってコンピュータが命じゃないわけね。ただ、自分が何かやってったり生きていく上で、自分を助けてくれるパートナーという位置づけ。だから他の機械じゃだめなのね。自分をアシストしてくれるものなんだから、僕がそれを勉強しなければできないものじゃ困るし、使いたいと思ったときにすぐに使えないものじゃ困る。相性が合わないと。
 Macが登場した頃と言うのは、まだまだ特殊なコンピュータだったと思いますが。 アメリカの人たちというのは、新しいものでも良いものだったら取り入れるという、信じられないほどの柔軟性があるのね。形がぶかっこうだろうがなんだろうが。コカコーラだって僕が初めて飲んだ時には薬だと思ったけど、今ではこれだけ人気があるでしょ。パソコン自体は高校の頃からやってたんですよ。最初にMacが出た当時は、コンピュータというのは技術者が使うものだったじゃないですか。それがMacが出たことで、技術者以外の人間が誰でも使えるようになっちゃったという意味ではすごい特殊だったんだけど、僕にしてみれば、その前に穿孔機で穴を開けて使う大型コンピュータも知ってましたし、DOSマシンも知ってましたし、AppleIIも知ってたから、変なものというよりも、ものすごく優れたものができたと思った。

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