特集:Mac OS X 大胆予測
あなたのMacがこう変わる!

スピードと安定性が魅力。
心配ごとは「ちゃんとちゃんと 出してくれるか」ということ

Xに何を期待するのか、Xが登場したことで製品開発において
どのようなメリットがあるのか、ユーザとソフトメーカーに聞いてみた

XとはどのようなOSなのか?
X登場後、8.xはどうなるのか?

MacがNCになるのは反対。
持つ喜び、使う喜びを実感させてくれるシステムとして進化してほしい。
中村英治さん(38歳)、Mac歴10年
RhapsodyのWebサーバー版(Mac OS Xサーバー)が最近リリースされたが、XがスタンドアローンMac用のOSではなく、NC用としてリリースされた場合、多くのユーザがガッカリするだろう。Macの最大の魅力はパーソナルなものとして所有すること。ネットワークにつながないと使えないマシンにはちょっと抵抗を感じる。考えてみれば、NCは20年くらい前に企業や大学などに設置されていた端末機と同じものではないか。NCはコンピュータのローコスト化に貢献するかもしれないが、時代を逆行してしまう点はいただけない。とにかくいまのMac OSには、スピードと安定性が必要だ。PowerPCがPentiumより速いといってもOSが重くてはどうしようもない。そういった意味では、Xに対する期待は大きい。Copland、Rhapsodyと2度に渡ってOSのロードマップを書き換えたAppleにひと言。「こんどこそ約束どおり出してください」

旧Macユーザのサポートも忘れずに。
コンシューマ市場にもっと力を。
間宮寛さん(25歳)、Mac歴3年未満
来年新しいMac OSが登場するという話を聞き胸を躍らせている。しかし自分が持っているMacでは使えないという点がちょっと不満。Macを買って以来1年も経っておらず、来年また新しい機種を購入するかどうかも未定だ。G3シリーズはどれも高価で、なかなか2台目に手を出せない。コンシューマーをターゲットにした製品はiMacしかないが、iMacでXを動かすのも・・・。G3 シリーズの低価格化、あるいはエントリーモデルの拡充をAppleには望みたい。Xについては、Windows 98に対するNTのようなものといわれているが、それはどういった意味なのか、NEWSLETTERで詳しく説明してほしい。いまのMac OSの操作性は大変気にいっているので、Xでは大きな変更がなければと思っている。

ネットワーク関連に注目。
ソフト開発にはポジティブに取り組んでいきたい。
A.S.さん(40歳)、ソフトハウス経営
Rhapsodyのデビュー当時から対応ソフトの開発を頼まれていたが、現行製品の移植に1年近くを費やすという部分に抵抗があった。Mac OS XではCarbon APIの採用によってそれが数ヵ月でできる聞いて興味を示している。一時はMac用ソフトの開発から撤退しようかと考えていたが、Power Mac G3やiMacの成功によって息を吹き返したAppleを観ていたら、新しいマーケティングのチャンスが見つかりそうだ。Xはネットワークにめっぽう強いMachというOSがベースになっている。Xで成功するには、このネットワークに注目したいと思っている。来るべきPowerPC G4、ますます性能アップが図られるOpenTransportなど、ワクワクするような未来が待っているような気がする。日本のアップルに望むのは、こうしたデベロッパーに対するサポート体制をしっかり整えてほしいということだ。



 99年は、Appleにとってソフト/ハードのいずれにおいても、これまでにない大きな飛躍が期待できる年になる。ソフトとはもちろんMac OS Xのことで、15年の歳月によって熟成されたMac OSが、ついにModern OSの仲間入りを果たす。インターフェース、つまり操作性の部分で「最も人間的」といわれ続けてきたが、スピードと安定性を獲得して真の最強のOSへとさらに一歩近づくのだ。あとは、デベロッパーの賛同を得られるかにXの運命はかかっている。ジョブズ氏の腕の見せどころだ。
 ハード面では、「AltiVec」(アルタベック)と呼ばれるベクトル並列処理技術を搭載したPowerPC G4に注目が集まる。AltiVecはネットワークや通信といったCPU性能を必要とする分野で威力を発揮する。XとPowerPC G4の登場によって、MacのNC化説はますます現実を帯びてきたような気がする。

いままでのMacの魅力とは、トランセンド(超越)つまり機械や機能を超えた魅力を創り出したこと。熱烈なAppleファンや古いハードを大切に使う人々、つまり別な愛着と相互信頼を与えてくれたものでした。
 今度のMac OS Xはみんなが想像しがたいトランセンド(超越) を与えてくれるかもしれないと密かに期待させるものである。


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