MAC FREAK FILE

石川浩二さんのイラスト、みなさんもどこかで目にしたことがあるでしょう。素朴な中に繊細さを感じさせる味わいのあるタッチ…驚くべきことに石川さんは、この作品のほとんどをMacで描かれているのです。青山にあるオフィスにおじゃますると、無造作に掛けられた魅力あるキャラクターたちのイラストの間に最新のG3Macが!コンピュータを使ってどうしてこんな作品を生み出せるのか、その秘密をお聞きしてみたいと思います。

石川さん
〜プロフィール〜

石川 浩二 (いしかわ こうじ)さん

イラストレーター 1963年千葉県生まれ。
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
第9回講談社童画グランプリで大賞を受賞。電通アドギャラリー、原宿ハナエ・モリ・オープンギャラリーなどで個展。犬や猫、人などのキャラクターを生かしたデジタルイラストレーションを、広告、出版、Webなどで発表。



よく犬をモチーフに使っていらっしゃるのはどうしてですか?
 実は自分で犬を飼っているわけじゃないんです。犬って、可愛いんだけれども思慮深げだったり、かと思うと喜びを隠せずにしっぽを振ったりとか、ストレートに感情を表現してくれる。そういうギャップがいいんですよね。 人間をそのまま描くのは、自分を投影するものとしての照れがあるのかもしれないです。 その点、犬だと、描きやすいところがある。

主にMacで作品を作られているということですが、始めは手で描かれたと伺っています。
 そうなんです。学生時代に初めて賞をもらったのも、もちろん手で描いた作品でした。その路線でわりと評価をいただいてしまったんで、パソコンを使ってイラストを描きはじめた頃は、まわりから「手描きの方がいいんじゃないの?」なんてよく言われました。
 パソコンに興味を持ち始めたのは、仕事を始めて4年目ぐらいのころ。その頃、たまたま父親がFM TOWNSを使ってたんですが、あるゲームをやりたくて自分も買ったんです。そのゲーム自体は結局あまり面白くなかったんですけど(笑)。だから絵でも描いてみようかと思ってTOWNS PAINTというソフトを買ってみました。そしたら、タブレットもスキャナーもないのに結構いい感じのイラストが描けて、これは将来的には仕事でも使えるようになるかもしれないと…。その頃ちょうどデザイナーの人たちがMacを使い始めてたので、IIcxを買ったんです。70万ぐらいしたかなあ。とにかく高かったですね。しかもめちゃくちゃ遅い!むしろTOWNSの方が良かったぐらい(笑)。だから実際に仕事でよく使うようになったのはQuadra950ぐらいからです。

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