十三の巻 J-WAVE編

東京での生活"TOKIO LIFE"を送る学生、ビジネスマン、OLに大人気の「J-WAVE」。部屋の片隅に置いてあるラジオの周波数を81.3MHzに合わせると、個性的でクールな洋楽/J-POPが軽快なトークとともに聞こえてくる。ラジオの主役はサウンド。そのサウンドの配信を陰で支えるスタッフの様子をスピーカーを通して知ることは難しい。また、番組作りにはMacも活躍しているという。探検隊は早速、調査に向かった。

J-WAVEは東京人の心の支え!?
 東京では桜が散り始める4月中旬。この時期としては珍しく、ここ数日間は雨模様が続き、集合場所である六本木に探検隊のメンバーが集まったときも薄暗い雲が上空を覆っていた。今回J-WAVEに突撃するのは隊長のほかに、男性2人(ともに学生)、女性1人(会社員)。J-WAVEの熱狂的なファンで、部屋では寝るときもつけっぱなしにしているというツワモノの姿も…。

 昼下がりの午後、いまにも泣き出しそうな空を気にしつつ一行は西麻布のほうへと歩いて行った。10分後、モノリスのように立ちはだかる銀色のビルに到着。この最上階にJ-WAVEのオフィスとスタジオがある。メンバー全員がこういった取材は初めてということもあり、緊張の色は隠せない。胸の高鳴りを抑えつつエレベーターで18階に上ると、今回案内役を務めていただく編成部編成課の小向氏が出迎えてくれた。

 オフィスはエレベーターホールを挟んで北と南に分かれており、まずはロビーのある南側に。壁には番組のポスターなどが飾られ、かなりポップなイメージ。この業界特有の、自由な雰囲気を象徴するようなラフな服装がピタリとハマっている。隊員らはテーブルを囲んで座り、J-WAVEの歴史、どういったリスナーに人気があるのかなどを小向氏に尋ね始めた。

 J-WAVEがスタートしたのは、今から約10年程前の'88年10月。洗練された音楽と心地好いトークがウリとなっている。4月頃というのは新生活をスタートするフレッシュマンを中心に高い支持を得ているという。生活に密着した番組を通して、首都圏の生活の面白さ、音楽のある生活の素晴らしさを実感させ、心の支えとなるような刺激を与えてくれている。
 「ヘビーローテーションによって『統計的に』人気が高かった曲ではなく、メジャー/マイナーを問わずリスナーやスタッフが聴いてイイと思った曲を流すことが大事」と小向氏は言う。確かに、データに裏付けされたものよりも、人間が持っている曖昧さが表に出ているほうが面白味があり安心感もある。それが番組にも表れているような気がする。

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