リンククラブ探検隊


最新技術のプリント基板組み立て工場を見学
 次いで、今回の探検では、三洋電機の プリント基板組み立て工場の見学もさせていただいた。  プリント基板上に印刷された線に沿ってハンダを塗り、超高速で部品の取り付けが行われるシステム(1時間当たりプリント基板50〜70枚も生産できるとのこと) には探検隊一同大きく驚いたが、特に目を見張らされたのが、プリント基板上のコネクタ類など複雑な部品を取り付けていく「異形マウント」という工程。部品の形状によって、マウントアームが部品を吸い付けるノズルを変え、次いで部品を吸い付け、そしてプリント基板上の正しい位置に取り付けるという作業が自動的に行われていくわけだが、実に微妙な精度が要求される この作業をロボットが超高速に行っていく様子は、普段目にする機会がないだけに、我々が普段使っているパソコンやさまざまな電化製品を作る技術が相当進化しているんだなあと、探検隊員もある種の感動を 覚えたようだ。  またこうしたプリント基板製作技術自体の開発にも三洋電機の技術が活かされて いると聞いて、さらに感動を新たにする 探検隊であった。

写真愛好家の心理も考えた注目の新メディア
 さて、プリント基板組み立て工場の 見学を終えた我々探検隊は、再び記録 メディア事業部のオフィスへ戻り、ついに「iDshot」の実機を前にした説明を受ける段になった。  そもそも、新規格の大容量ディスクを デジタルカメラに採用しようという発想は、なにがきっかけだったのだろうか。記録 メディア事業部開発部開発1課課長の宅間正男氏にお話を伺うと、「当社でずっと デジタルカメラの開発を行ってきて、やはり記憶容量というのが大きな壁でした。 そこで、デジタルカメラに搭載しても本体サイズに影響のない大きさで、しかも大容量のメディアを作ってしまおう、という ことになったわけです」とのこと。つまり、「iDshot」に採用されているリムーバブルディスク「iD PHOTO」は、最初から デジタルカメラ向けの記録メディアとして、開発が始められたというわけだ。  それが今から約3年前のこと。ちょうど同時期に、オリンパス光学、日立マクセルの賛同を得、3社共同による新しい記録 メディア規格の開発が始まった。宅間氏 いわく、「デジタルカメラへの搭載を考えると、直径50mmというのがぎりぎりの大きさ。その制限の中で、できるだけ大きな記憶容量を実現するという闘いが続き ました」とのことだが、結果、直径わず か50mmの中に730MBという大容量 スペースを持つメディアが完成した。  ちなみにこの「iD PHOTO」、記録方式にはMOなどと同じ、記録密度に優れた 光磁気方式を利用しているが、より厳密 にいうと、物理的な形状変化を伴わない 「レーザーパルス磁界変調記録方式」を 採用している。したがって、フロッピー ディスクのように磁気のみで記録内容が 消去されたり、CDなど光ディスクのように熱に弱いという心配もない。要するに、 データの永年保存性に優れているという わけだが、「ただ単に大容量を目指すだけでなく、この点も、メディアの開発に当って気を配りました」と宅間氏。大切な写真のデータは、できるだけ長い間オリジナルの画質を保っていてほしいという写真愛好者の心理を十分に汲んでいる点にも、注目したい。  また「id PHOTO」の特徴として、20Mbpsというデータ転送の高速さも 挙げられる。メディアの価格も、1MB 当たり換算で約5円弱と安価なので、将来的にはパソコンで利用するなど汎用的な 記録メディアとしても期待できそうだ。 その点について探検隊員のひとりが宅間氏に訊ねると、「まだ搭載実機(iDshot)が発売されたばかりなので、可能性のお話 しかできませんが」と前置きしつつ、 「既に『iDshot』も、FireWire(IEEE 1394)やUSB経由でパソコンと接続しデータ転送を行うことができますから、 決して現実不可能な話ではありませんね」とお答えいただいた。その点も含めて、「iD PHOTO」はちょっと注目しておきたい 新しい記録メディアだといえそうだ。


ストリーミング放送の制作工程を見学する隊員
基盤工場を見学する探検隊員たち。
その高速さに驚いていた

映画の予告編はFinal Cut Proで取込み・編集している
手のひらにすっぽり入るiDPHOTOディスクと、その730MBという容量に感心する探検隊員

デザインや技術的な質問に答えてくださった鈴木さんと宮原さん
iDshotはひとり一台ずつ手渡され、 いろいろな機能、使い方を試させていただけた



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