リンククラブ探検隊


「作る」楽しみを支援するさまざまな機能を搭載
 今回の取材では、「iDshot」の実機が 探検隊員ひとりひとりに手渡され、微に 入り細に入り「iDshot」の諸機能を試したわけだが、大容量記録メディアを採用しただけあって、まず記録可能枚数や動画の録画可能時間だけも「iDshot」の凄さを実感。静止画なら36枚撮りフィルム33本〜330本分、動画ならDVと同等の画質で約8分、インターネットの動画ストリー ミング向きの解像度160×120ピクセル/秒間15フレームなら約120分もの撮影が行えるから(もちろんメディアを取り替えればいくらでも撮れる)、「長期の海外旅行などでも便利ですね」と探検隊員も目を輝かせていた。  加えていうと、動画の記録にはQuick Time Movie(PHOTO-JPEG圧縮)が採用されており、これはMPEGと違い1 フレームずつ記録が行われるため、撮影 後のフレーム単位の編集が可能だという メリットがある。  また撮影した複数の静止画を、「iDshot」内でつなげてムービー化することも可能。一定間隔で自動的にシャッターを押し続ける「インターバル撮影」機能も搭載されており、実際にこの機能を試してみた探検隊員は、「高速で流れる雲、とか、花が開く様子、なども、これ一台で撮影できちゃうんですね」と興味を示していた。ちなみにこの「静止画からのムービー作成」を考慮して、コマごとのピントや露出の違いからムービー化時にフリッカーが起きないように、フォーカス/露出/ホワイトバランスのロックが行えるというきめの細かさも、カメラ好きの探検隊員にため息を付かせていた。  「iDshot」では、撮影した動画のカット編集(シーンの前後をカットしたり、複数のシーンをつなげる編集)も行える。「撮影だけじゃなく、作る楽しみを味わえそうですね」とはひとりの探検隊員の感想だが、この点について記録メディア事業部商品 企画部開発商品企画課で主任企画員を勤める塩路昌宏氏は、「ADSLなど高速回線が普及したり、パソコン自体が高度な進化を遂げたりと、『作る』『発表する』という 側面においても、マルチメディアの可能性はすごい勢いで広がりつつある。せっかく大容量メディアを搭載したデジタルカメラを開発するのだから、そうした状況を支援する機能を多数盛り込みたいと思ったわけです」と語る。  実際「iDshot」なら、DVカメラのように動画を取り込まなくても、FireWire経由でパソコンとつなげば直接動画を再生して内容を確認できるし、動画の取り込みもMOなどからファイルをコピーするのと 同様、アイコンのドラッグ&ドロップだけで、短時間で行える。だから、たとえば簡単なカット編集だけ「iDshot」内で済ませておき、手早くパソコンに取り込んでから ノンリニア編集ソフトで本格的な編集に 取り組んだり、再圧縮してストリーミング配信用ファイルに変換したりなど、さらに楽しみを広げることができるわけだ。機会があったら、店頭で「iDshot」に実際に触れてみてほしい。きっと、今回取材に お邪魔した探検隊員と同じく、その充実 した機能や使いでに、少なからず感心するだろう。

写真愛好家の心理も考えた注目の新メディア
 さて、プリント基板組み立て工場の 見学を終えた我々探検隊は、再び記録 メディア事業部のオフィスへ戻り、ついに「iDshot」の実機を前にした説明を受ける段になった。  そもそも、新規格の大容量ディスクを デジタルカメラに採用しようという発想は、なにがきっかけだったのだろうか。記録 メディア事業部開発部開発1課課長の宅間正男氏にお話を伺うと、「当社でずっと デジタルカメラの開発を行ってきて、やはり記憶容量というのが大きな壁でした。 そこで、デジタルカメラに搭載しても本体サイズに影響のない大きさで、しかも大容量のメディアを作ってしまおう、という ことになったわけです」とのこと。つまり、「iDshot」に採用されているリムーバブルディスク「iD PHOTO」は、最初から デジタルカメラ向けの記録メディアとして、開発が始められたというわけだ。  それが今から約3年前のこと。ちょうど同時期に、オリンパス光学、日立マクセルの賛同を得、3社共同による新しい記録 メディア規格の開発が始まった。宅間氏 いわく、「デジタルカメラへの搭載を考えると、直径50mmというのがぎりぎりの大きさ。その制限の中で、できるだけ大きな記憶容量を実現するという闘いが続き ました」とのことだが、結果、直径わず か50mmの中に730MBという大容量 スペースを持つメディアが完成した。  ちなみにこの「iD PHOTO」、記録方式にはMOなどと同じ、記録密度に優れた 光磁気方式を利用しているが、より厳密 にいうと、物理的な形状変化を伴わない 「レーザーパルス磁界変調記録方式」を 採用している。したがって、フロッピー ディスクのように磁気のみで記録内容が 消去されたり、CDなど光ディスクのように熱に弱いという心配もない。要するに、 データの永年保存性に優れているという わけだが、「ただ単に大容量を目指すだけでなく、この点も、メディアの開発に当って気を配りました」と宅間氏。大切な写真のデータは、できるだけ長い間オリジナルの画質を保っていてほしいという写真愛好者の心理を十分に汲んでいる点にも、注目したい。  また「id PHOTO」の特徴として、20Mbpsというデータ転送の高速さも 挙げられる。メディアの価格も、1MB 当たり換算で約5円弱と安価なので、将来的にはパソコンで利用するなど汎用的な 記録メディアとしても期待できそうだ。 その点について探検隊員のひとりが宅間氏に訊ねると、「まだ搭載実機(iDshot)が発売されたばかりなので、可能性のお話 しかできませんが」と前置きしつつ、 「既に『iDshot』も、FireWire(IEEE 1394)やUSB経由でパソコンと接続しデータ転送を行うことができますから、 決して現実不可能な話ではありませんね」とお答えいただいた。その点も含めて、「iD PHOTO」はちょっと注目しておきたい 新しい記録メディアだといえそうだ。



ストリーミング放送の制作工程を見学する隊員
iDshotの中身も見せていただいた。iDPHOTOのドライブ部分は想像以上にコンパクト


映画の予告編はFinal Cut Proで取込み・編集している
ムービー編集など、実際のデモを見せていただき ながら、お話を伺った

デザインや技術的な質問に答えてくださった鈴木さんと宮原さん
今回紹介した、デジタルディスク カメラiDshotのホームページ
http://www.idshot.com/



BACK
TOPへ