〜インストールは慎重かつ計画的に〜


パターン1
パーティション1Mac OS 9.1+従来の環境
(もしくはMac OS 9.0.4以前+従来の環境)
パーティション2Mac OS 9.1+Mac OS X
パターン2
パーティション1Mac OS 9.0.4以前+従来の環境
パーティション2Mac OS 9.1
パーティション3Mac OS 9.1+Mac OS X


まず、インストール計画を立てよう

 ここまで見て来たように、Mac OS Xは従来のMac OSのアップデートとは異なり、まったく違うOSへの移行と考えるべき要素が多い。したがって、従来のMac OSのアップデート以上に、どういう形でインストールを行うのか、慎重かつ綿密な計画を立てることが必要だ。なにも考えずに今まで使って来た環境をそのままアップデートしてしまうことは、極端にいえば危険ですらある。またMac OS XのインストールにはMac OS 9.1が必要だが、Macユーザの中にはシステムの安定性の面から、未だにMac OS 8.6や9.0.4を使っているケースも多いだろう。そうした古い環境も残しつつ、Mac OS 9.1〜Mac OS Xをインストールする方法も考えねばならない。

 最も安全なのは、Mac OS X用にハードディスクを一台増設してしまうという方法。これならMac OS 9.0.4以前の環境も残しつつ、Mac OS Xを試してみることができる。ちなみに今回のテストでは、初代G3(233MHz)の内蔵SCSIポートに接続した外付けハードディスクへのインストールは問題なく行えた(この場合は、ファームウェアのアップデートが必要な場合がある。詳しくはMac OS XのインストールCDの「Japanese - 日本語」フォルダに収められている、「インストールの前に.pdf」を参照)。

 ただし、USBおよびFireWire接続のハードディスクや、サードパーティ製SCSIカードに接続されたハードディスクへのMac OS Xのインストールは、現在のところ動作保証されていない。となると、SCSIポートを標準装備していないiMac以降の機種の場合は道はひとつ。内蔵ハードディスクの現在の環境(アプリケーションやファイルを含む)を一旦バックアップしたのち、内蔵ハードディスクを初期化してパーティション分けし、次のような形でインストールを行うということになる。

 なお、パターン2でMac OS 9.1とMac OS9.1+Mac OS Xのふたつをパーティション分けしているのは、Mac OS XでClassic環境を起動する際、Classic環境用のシステムファイルがMac OS 9.1のシステムフォルダにインストールされるため。Mac OS 9.1もメインで使う場合は、パターン2の形が最も安全だ。


ハードディスクのパーティションを作成

 パーティションの作成は、標準の内蔵ハードディスクの場合なら、まずMac OS Xのパッケージに付属のMac OS 9.1インストールCDから起動し(CD-ROMを挿入し、Cのキーを押しながら再起動)、ドライブ設定を起動し、初期化〜パーティション作成を行う。その際、Mac OS Xに使用するパーティション(Classic環境用に用いるMac OS 9.1をインストールするパーティションも含む)は「タイプ」として、「Mac OS 拡張」を選択しなければならない点に注意。

 外付けハードディスクにMac OS Xをインストールする場合は、ドライブ設定による初期化〜パーティション作成は行えないので、一旦サードパーティ製のハードディスクフォーマッタ(BHA社のB's Crewなど)を使って外付けハードディスクを「Mac OS 拡張」で初期化〜パーティション分けしよう。

 なおMac OS Xをインストールするボリュームは、最低1.5GBの容量を確保しなければならない。また初期化を行うと、当然そのハードディスクの内容はすべて消去されてしまうので、大事なファイルやアプリケーションを失わないよう、くれぐれも注意していただきたい。



パーティションを作成する場合は、必ず「Mac OS 拡張」を選ぼう

「初期化」をクリックすると、ハードディスクの内容がすべて失われる点に注意