リンククラブ探検隊


Webデザインに映像を利用する試み
 さらにCOOLSTREAMでは、Webページのデザインや運営も行っている。前回、探検隊が訪問したSANYOの「iDshot」サイトのストリーミングコンテンツも、ここで作られたものだ。
 「テキストと写真で表現するというのが、従来のホームページなんですが、我々が今一番得意としている動画のストリーミングを一部導入させていただきまして、通常テレビで流すような映像を、ホームページ上で見ていただけるようにしました。」
 他にも、チェーン店展開をする企業の加盟店募集のページで、画面の隅にCMのような映像が流れていたり、不動産の間取りを紹介するページで、間取り図をクリックすると、その部屋の様子がムービーで表示されたりと、従来のWebページと映像を組み合わせる試みをさまざまな形で行っている。デザインそのものも、iDshotのようなクールなものから、幼稚園のサイトのような、可愛らしいものまで幅広く対応。幼稚園のページでは、リンクのボタンにカーソルが触れると、左から「ドレミ」と音が出るというような楽しい仕掛けも用意されている。
 「あの音の仕掛けは、こだわったところなんですよ」と、Webデザインを担当する陶山氏。「幼稚園のページでは、次の更新の時に、ストリーミングの映像も盛り込む予定です。例えば、幼稚園の行事ごとを映像にして、父兄さんに見ていただいたりとか、幼稚園の一日がどんな風に進んでいくかを時間帯によって見せたりという部分で、静止画だけでなく、映像でも見せられるようにしたいと考えてます。」
 Webデザインを行っている部署は、四人ほどが作業できるようになっている。そこで、Flashをメインに使ってデザイン作業が行われている。二台のMacがデザイン用で、それ以外に、プログラミング用のMacも用意されている。Webデザインだけでなく、ログ解析ツールなどの、サーバ運営のために使えるツールなども、サービスの一つとして提供する、そのためのプログラミング環境だ。
 隊員の二人は、FlashとQuickTimeの違いについて陶山氏に質問している。
「QuickTimeは、基本的にムービーを再生するプレイヤーなんです。だから一から ページを作る事は難しいんですね。QuickTimeは、アニメーションを一から描いたり、文字を加工するというのはできないのだけれど、Flashだと簡単に作れるんです。どうして僕らがFlashを使っているかというと、触って何かアクションが起こせるというインタラクティブ性ですよね。これが簡単に実現できるという点で、今のWeb作成ツールの中で、一番強いと思っています。それに、他のPlayerなどに比べて、 ファイルサイズが小さく抑えられるのもいいんですよ。」

ストリーミングの決め手はムービーの圧縮
 続いて、探検隊は、ムービーの編集、圧縮を行う部所を見せてもらった。ストリーミングは、ムービーファイルを圧縮することで、ネット上で配信することができる。そのあたりを、圧縮を担当する米田氏が、分かりやすく説明してくれた。
 「これが元データになります。見ていただくとわかるように、結構クオリティがいいと思います。これ、5分間あるんですけども、これが、実際にどれくらいのデータ量があるかというと、1.36GBあるんですよ。とてもデカイ。間違ってもインターネットではこのまま流せないという大きさです。これをインターネットの配信向けに圧縮をしていくんです。我々は、Media CleanerProという圧縮のソフトのパワースイートというハード用のエンコーダーとソフトのセットになっているものを使っています。このソフトに、先ほど見ていただいた、大きいデータを登録して、どんな圧縮にするかというセッティングを、このソフトで決めちゃうんですね。QuickTime形式にするのか、RealVideo形式にするのか、WMV形式にするのかですね。それにフレームレート。普通のビデオは1秒間に30フレームですけども、15フレームにするのか、もしくは10フレームにするのか、そういったものを、ここで細かく決めていくわけです」
 この説明の後、米田氏は、実際に圧縮したものを見せてくれる。COOLSTREAMでは、モデムやISDN接続のユーザ向けと、ADSLなどの高速回線向けの、二つのムービーをストリーミング用に用意するようにしているという。ここでは、ADSL用の圧縮を見せてもらったのだが、これが約12MB、100分の1以下に圧縮されている。しかも、元のデータに比べて、若干画質は落ちるものの、充分鑑賞に耐えるクオティ。ただ、高画質で圧縮するのは難しく、試行錯誤の連続だという。
「1.36GBのファイルの圧縮に30分くらいかかって、できたのを見たら、クオリティが悪かったということもよくあります。その度、30分が無駄になっちゃうんです。で、設定を変えてやり直しです。画質だけでなく、音質のクオリティもありますし、元の映像素材によって設定は変わってきますから、毎回、試行錯誤です。近道はないですね」と米田氏。実際COOLSTREAM作成によるストリーミングムービーは音が良いのも印象的で、それは、圧縮技術の高さに支えられているわけだ。


今まで手がけたプロジェクトを見せていただきながら詳しい説明を伺った
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Flashの魅力を中心にWeb制作について実例を見せていただいた
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玉川学園幼稚園ホームページ
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http://www.tamagawa-k.ed.jp/



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