特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ

●WWWサーバ機能 ●セキュリティ ●ネットワークチェック ●データベース
●CGIプログラム ●アクセスログ解析 ●ストリーミング  

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ WWWサーバ機能
ホスティングサービス選びで、まずチェックしておきたいのが、提供されるWebサーバの基本的な機能。カタログスペックから推し量れる要素も多いが、それだけではわからない部分もある。どんな点をチェックすべきかを、ざっと見てみよう

 ホスティングサービスを利用するに当たり、まず確認しておきたいのは「WWWサーバの容量と使い勝手、各種機能」という点だ。
 このうち、サーバ容量に関しては広告などを見ればすぐにわかるが、使い勝手についてはいささかわかりにくい。というか、実際使ってみなければわからないわけだが、たとえばMicrosoftのWebページ作成ソフト、FrontPageに対応しているかどうかは、ひとつの目安となるだろう(FrontPageは、Microsoft Officeに含まれるプログラム)
 読者の皆さんはご存知かもしれないが、FrontPageはWebページデザインに使えるだけでなく、FrontPage上で作ったページをダイレクトにWWWサーバに反映させることができる。このFrontPageに対応したWWWサーバなら、画面1要するにページを作成→自分のコンピュータに保存→FTPソフトを起動し所定のディレクトリにアップロード、という手間をかけずに済むわけだ。自分のホームページを頻繁に更新する場合は、対応している/していないでは意外な差が付いてしまう。
 あと、掲示板やチャットなどに利用するCGIが使えるかどうか、ショッピングサイトが構築できるよう商用利用可能かどうか、フォームで送信される内容を暗号化するSSLに対応しているかどうかなども、WWWサーバの“機能”として、チェックしておきたい点である。
L・H・S無料機能
WWWサーバ容量200MB
基本料金内で、200MBものWWWサーバ容量が利用可能
MIcrosoft FrontPage対応
希望により、WWWサーバをFrontPage対応に設定可能(図01)
標準CGI対応
ユーザの用意したオリジナルCGIの利用が可能
商用利用OK
リンククラブ・ホスティングサービスなら、ショッピングサイト構築など商用利用も可能
SSL(Secure Socket Layer)対応
ユーザのWebブラウザからリンククラブ・ホスティングサービスのWWWサーバにデータを送信する際、送信途中にデータが盗まれないよう、暗号化が可能。特にショッピングサイトを構築する際には必要な機能

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ CGIプログラム
掲示板やチャットの運営に欠かせないCGIは、もはや一部のエキスパートだけのものではない。ホスティングサービスでも利用できるのは当然だが、だったらそのホスティングサービス内の一環として各種CGIプログラムが提供されていたほうが、断然便利なはずだ

 上の項でも述べているCGI(Common Gateway Interface)とは、簡単にいえば、ユーザがWebブラウザを介してWWWサーバにリクエストを送信すると、WWWサーバがまた別のアプリケーションを呼び出し、そのリクエストを処理するという仕組み。たとえば掲示板だったら、Webブラウザでメッセージを書き込んで“送信”ボタンを押すと、そのメッセージを加えた形にそのページが書き変わるが、この“書き込まれたメッセージをページ内容に反映させる”という処理を行っているのも、WWWサーバに組み込まれたCGIプログラムである。
 したがって、掲示板やチャットなどを動かしたければ、このCGIプログラムを自分で作成し、WWWサーバに組み込まなければならないわけだが、これはプログラミングの知識のないユーザには、ちょっと面倒だ。そこでもし掲示板やチャットなどを自分のホームページで利用したければ、利用しようと考えているホスティングサービスに“あらかじめCGIプログラムが用意されている”という点が重要になる。CGIプログラムが用意されていれば、あとは使いたいCGIプログラムを選んで自分のWWWサーバに組み込むだけで、すぐに掲示板などが利用できるというわけだ。その際、自分のドメインなどに応じてCGIプログラムを若干カスタマイズしなければならないが、そうした設定などのガイドが丁寧かどうかも、重要なチェックポイントである。
 また自分でCGIを作成したい場合、Perlという言語を使って記述するわけだが、最終的には記述の“文法チェック”が必要になる。この文法チェックを行ってくれるかどうかも、ホスティングサービスのWWWサーバに関する機能としては、チェックしておきたい。
L・H・S無料機能
豊富な無料CGIを用意
アクセスカウンタやチャットに加え、HTML対応や画像付き掲示板など、豊富な無料CGIを利用可能。またCGI設置の方法も丁寧にガイド
Perlチェッカー
自作CGIプログラムなどの文法チェック機能を提供

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ セキュリティ
インターネットで実は最も優先して考えなければならないのが、セキュリティの問題。ホスティングサービスを利用する場合も、自分のセキュリティを自分で守る手立てがどれだけ提供されているのか、という点は、非常に重要だ

 ホスティングサービスとは、簡単にいえば“Webサーバやメールサーバなどを提供する”サービスである。Webサーバやメールサーバの機能は十全に提供されるが、それらの管理は、基本的にはユーザに委ねられる。喩えていえば、ユーザはマンションを契約したようなもので、“鍵”の管理は自分でしなければならない。
 ということは、設定画面にログインしたり、WWWサーバ/メールサーバなどの管理を行う際の“セキュリティ”にどれだけ意識的かという点が、ホスティングサービス選びには重要になってくるわけだ。大前提として、各種パスワードはユーザ自身が適宜自由に変更できなければならないし、またその設定方法や手続きも、できるだけ簡単なほうが望ましい。パスワードをこまめに変更しやすい環境が用意されていれば、それだけでセキュリティ度はぐんと高まるからだ。
 またWWWサーバ関連でいえば、“特定のユーザだけがアクセスできるページを設けたい”というニーズもあるだろう。たとえば会社やサークルなど組織内の人間だけがアクセスできる(他に公開したくない)情報ページや、限られたユーザのみが利用できる掲示板を設けたい、といった場合だ。
 その場合は、“特定のページやディレクトリをパスワード保護する”というのが有効だが、その設定が簡単に行えるかどうかも、ホスティングサービスの“セキュリティに対する意識”の目安となる。
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各種パスワードをユーザが変更可能
ホスティングサービスで提供されるサービス全体を管理するWebベースの“管理室”や、メールサーバにログインする際のパスワードを、ユーザが自分の“管理室”などから自由に、簡単な操作で変更可能。
Webページのパスワード認証
任意のWebページに、パスワード認証を施すことが可能。メンバーを限定した情報提供ページや掲示板などが、簡単に運営できる。

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ アクセスログ解析
特にビジネスの一環としてWebサイトを運営するなら、月、日、曜日、時間ごとなどのアクセス数の管理は重要。そうしたデータを提供してくれるのがアクセスログ解析という機能だが、もちろんこれも、ホスティングサービスが提供する機能として、要チェックだ

 一度でも自分のホームページを持ったことのある読者なら、“自分のホームページにどれくらいの人が訪れているのか”を気にしたことがあると思う。
 CGIで利用できるアクセスカウンタを使えば、何人がアクセスしたかはわかるが、ショッピングサイトや企業の情報提供サイトなどを運営しようという場合は、もっと細かいデータが必要になる場合がある。
 ここで重要になってくるのが“アクセスログ解析”機能がどの程度提供されるかという点だ。たとえば日別のアクセス数がわかれば、アクセス数の多い曜日に合わせてサイトを更新することができるし、アクセス数の多い時間帯がわかれば、サイトのメンテナンスはその時間帯を避けて行うことにより、そのサイトを訪れるユーザから見た“レスポンスの悪化”を回避することができるわけだ。
画面2  ちなみにこうした細かなアクセスログ解析が必要なのは、なにも商用利用だけとは限らない。個人のWebサイトの場合も、アクセス元のホスト名がわかれば、なにかトラブルがあった際その原因と思われるアクセス者のプロバイダが特定できるなどのメリットもある。
 なお、“どれだけ細かいアクセスログ解析メニューが用意されているか”に加え、解析結果が見やすいのかどうかもチェックしておきたい。たとえば見やすいグラフが表示されるなら、アクセス数の増減なども、一目で把握できるはずだ。
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豊富なアクセスログ解析メニュー
アクセス件数/日、アクセス件数/曜日別/、アクセスマシンOS、時間別アクセス件数、アクセス件数/月、リンク元解析データ、アクセスブラウザの種類、アクセス元のホスト名、検索エンジン種別と9種類の豊富なアクセスログ解析メニューを用意。また解析結果は見やすいグラフ表示(図02)。また、ログを蓄積させ、ダウンロードすることで、オリジナルのログ解析を制作することができる「ログ取得機能」も用意している。

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ ネットワークチェック
ホスティングサービスを利用するということは、自分がサイトの一国一城の主となるに等しい。したがって、自分が利用しているサーバがネットワーク上でどのような状況にあるのかは、常に把握しておきたい。その手立てを提供してくれるのが、ネットワークチェック機能だ。

 ホスティングサービスを使ってWebサイトやメールサービスを運営する場合、自分のサーバがネットワーク上でどのような状況にあるのかを把握しておくと便利な場合がある。たとえば“Webサイトのレスポンスが悪い”“メールがなかなか届かない”といったクレームがあった場合、そのユーザのドメインから自分のサーバまでの経路がわかれば論理的に近いネットワークなのか、あるいは遠いネットワークなのかがわかるし、サーバから相手先までのリクエストの応答時間がわかれば、インターネット自体が混んでいるのかどうかがわかる。要するに、自分のサーバの所為なのか、構成が複雑過ぎるなどサイト構築方法の所為なのか、あるいはネットワーク自体の所為なのか、原因が特定しやすいというわけだ。
 こうした“ネットワークチェック”のための機能が提供されているかどうかも、ホスティングサービスを利用してより本格的なサイト運営を行う上では、重要である。
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画面3
TraceRouteが利用可能
インターネット上の2点間の途中経路を表示するTraceRouteが、Webブラウザ上から利用可能。リンククラブ・ホスティングサービスが提供するサーバから、任意のユーザ(IPアドレスもしくはドメイン名で特定)までの中継ルータ数とアドレスが診断される。中継ルータ数の多寡で、ネットワークが論理的に近いかどうか判断できる。
画面4
Pingの利用が可能
インターネット上の2点間の応答時間を計測するPing(Packet Internet Groper)も、Webページから利用できる。相手先のIPアドレス(もしくはドメイン名)を入力し実行すると、リンククラブホスティングサービスのサーバから32バイトのリクエストを何度か相手に送り、戻って来るまでの時間を計測。ネットワークが速いのか遅いのかを判断できる。

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ ストリーミング
インターネットに関する最もホットなキーワードは、ブロードバンド、そしてストリーミングだろう。ブロードバンド化が進めば、音声や動画のストリーミング配信は、Webサイトをする上で重要な課題となる。ホスティングサービスも、当然、対応しているのが望ましい。

 ADSLやケーブルTV、そして光ファイバーと、ブロードバンドの到来により、インターネットでも気軽に音声や動画などのコンテンツが楽しめるようになってきた。
 簡単にいえば、回線容量が増え、ファイルサイズの大きいコンテンツもストレスなく受信できるようになったため、もともとファイルサイズが大きく、また一定時間連続してデータを流し続ける音声/動画コンテンツを受けやすくなったというわけだが、そうなると当然、コンテンツを提供する側も、音声/動画の配信を行いたくなる。
 そこで、ホスティングサービス選択のポイントとして、“ストリーミングに対応しているかどうか”が重要になってくる。ストリーミングとは、簡単にいえば、音声や動画といった時間軸を持ったデータをネットワーク上に流す技術のことだが、ストリーミングに対応したサーバだと、加えて受信するユーザの回線環境に合わせた最適な自動レート設定、複数のユーザの同時受信が可能など、まさに音声/動画の配信に必要不可欠な機能を提供してくれる。
 また、ストリーミングでは、コンテンツを受ける側は“受信しながら再生”するため、サイズの大きなファイルをダウンロードする必要はないが、配信する側は決して小さくない音声/動画ファイルをサーバに置いておかなければならない。したがって、現在のサーバのディスク容量がどれくらいあるか簡単に把握できる手立てが用意されているかどうかも、重要なチェックポイントだろう。
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ストリーミングサーバを提供
ストリーミングサーバとして、RealSystemを無料提供。ストリーミング用ファイル形式で保存した音声/動画ファイルを用意し、Webサーバにアップロードするだけで、ストリーミング配信が可能。なお利用可能なファイル形式は、以下の通り。 REalVideo 8.0、RealAudio 88.0、Flash 4、RealPix、RealText、SMIL、MP3、QuickTime
ディスク容量確認が可能
Webサーバ上のディスク容量チェックが可能。

特集:ホスティングサービスはなにで選ぶ データベース
Webページ上で提供したい情報が膨大な量に上る場合、それらすべてをHTMLのみによる静的なページに配置していくことは、かなり非効率だ。そこで利用したいのが、SQLのデータベースだが、その場合もやはり、ホスティングサービスが対応している必要がある。

 従来、WWWでは、テキストや画像などの配置をあらかじめHTMLで記述した静的なページを表示する、という形での情報提供のみが可能だった。
 だが最近では、情報をあらかじめページに配置しておくのではなく、ユーザのリクエストに応じて必要な情報だけを自動的にHTMLページに構成し、表示するという動的な情報提供も、かなり活発に行われるようになっている。
 要はサーバ上には膨大なデータを集積し、それをユーザのリクエストに応じてひとつのページに構築するという仕組みなのだが、その仕組みは“データベース”と呼ばれる。
 Webで使われるデータベースとしては、代表的なものとしてIBMが開発した“SQL”(Structured Query Language)が挙げられる。またMicrosoftのデータベースソフトであるAccessも、最近ではWebと連動して用いられるようになっている。
 特にショッピングサイトや、(有償無償を問わず)商用の情報提供サイトなどを構築したい場合は、膨大な量の商品データや情報の中からユーザの望むものだけを適確かつ速やかに提供する必要が生じるだろうから、こうしたデータベースに対応しているかどうかも、ホスティングサービスの利用に当ってはぜひ確認しておきたい。
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Microsoft Accessに対応
Microsoft Accessで作成したデータベースを、Webページと連動させることが可能。
SQL対応(近日対応予定)
Microsoft SQL Serverを利用し、データベースを使った動的な情報提供が可能。
データベースQuery入力を提供(近日対応予定)
Webブラウザ上からSQLデータベース内のデータを検索し、Webブラウザに表示させるなどのSQLコマンドが利用可能。
データベース作成ウィザードを提供 (近日対応予定)
ブラウザ上から簡単に、データベースサーバに新しくテーブルを作成することが可能。
SQL→CSVコンバータを提供 (近日対応予定)
データベースサーバ内に蓄積されたデータを、CSV形式(タブもしくはカンマ区切りのテキストファイル)でダウンロードし、ローカルでデータ管理を行うことが可能。



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