That's
the story of My shop - 物語のあるお店 - 「ブッククラブ 回」 |
____棚に置かれている本は、全部ブッククラブ回で選んだものなんですか? もちろん、全部の本を読んで選ぶというのは不可能ですが、開店当初は2000社の出版社の図書目録に目を通して、店に置く本を一冊ずつ選びました。今は出版社とのネットワークもできてきたので、かなり密にいろんな出版情報を教えていただいていますが、それでも基本的には新刊配本ではなく、欲しい本を店で選んで注文しています。 ____じゃあ、ベストセラーだからといって無条件にどーんと積まれることはないと。 はい。ただ置いたら面白いだろうと思えば、いわゆるベストセラーでも置きますけどね。 ____そうした「本を選ぶ」基準はなんでしょうか? これは一概にはいえませんが、たとえば心理学に関連する本でも、軽めの読みやすい本ってたくさんあって、中には売れている本も少なくないですよね。ただ、そういう本の源流を辿っていくと、そのオリジナルの革命的な発想をした人の本が見つかったりする。で、その人の本は荒削りで 読みにくかったりするわけですが、すごい力を持っていることがあります。そうしたオリジナル、源流に近い本は、必ず置いておきたいと思っています。たとえば、ファーストフードやレトルト食品のようなよく研究されて口当たりのいい、でもケミカルな食べ物ではなく、畑で採れたばかりの野菜を身体で味わってほしい、という感じでしょうか。 ____なるほど。たとえば夢判断の本だったら、フロイトやユングにまで遡る、とか。 そうです。で、次に「フロイト/ユング 往復書簡集」(誠信書房)のような本を紹介して、心理学のテクニック的な側面だけでなく、フロイトやユングがどういう人だったかを読んでもらうとか。特に最近は、「本物」というと語弊があるかもしれませんが、コアな本を置く傾向がだんだん強くなってきているかもしれません。 選本やディスプレイで店からのメッセージを伝えたい、という側面は、確かにあります。 |
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