![]()
| |||
----これが日本での初公演だそうですね。 私個人は何度も日本に来ているのですが、マーク・モリス ダンス・グループ(以下 MMDG)として来るのは初めてです。過去にも何度か日本での公演が実現するよう試みてはいたのですけれど、やっと来日できて、私もとても嬉しいし、みんなも喜んでいます。ニューヨークでは、よく和食を食べたりしているんです。 今回の公演は、4つの独立した演目で構成されています。まず、「アーギュメント」では、シューマンのチェロとピアノ用の曲(5つの民謡風小品)に乗せて踊ります。3つのカップルが誤解という状況を表現しています。次は「フォーリング・ダウン・ステアーズ」。バッハの無伴奏チェロ組曲第3番が演奏されます。これはもともと映像用に構成された作品で日本でも上映されました。それから僕がソロを踊ります。これは、「ペカディロス」といってサティの曲を、今回はおもちゃのピアノで演奏するんです。そして最後の大きなダンスが「V(ヴィー)」といいます。これはシューマンのピアノ五重奏曲を使っています。このダンスは比較的新しく、約1年前につくりあげたものです。これは4つの楽章に分かれていて、7人が2チーム、計14人で構成されています。タイトルは、「V」のフォーメーションが沢山でてくるということ、5人の演奏家によって曲が奏でられるということ、”V”は5を意味するということでそこからとりました。 ----今回のヨーヨー・マ氏との共演をはじめ、これまでに世界中のさまざまなアーティストとコラボレーションをされています。そのような”超一流”の人々と仕事をするにあたって、どんなことを考えて作品をつくられているのですか? 私は高いレベルで仕事をするのが好きなんです。”まあまあなレベル”には、興味がわかないのですね。本当に高い水準で仕事ができる人というのは、防衛的になったりすることも少ないし、創造性に富んでいます。だから、一緒に仕事をしやすいのです。たとえば、ヨーヨー・マさんとの仕事においては、私から、「それは早すぎる」とか「遅すぎる」とか「それは音がおかしい」などと言うことはないし、どちらかがどちらかを崇拝するような形でもありません。互いに一生懸命仕事をすることによって、二人の間に一種の理解が自然に生まれ、これが作品に生命を与えてます。こういうレベルの人でないと、ここまでの仕事はできないでしょうね。 |