Pal@pop a.k.a Kenichi Takano. MR
Musician, Producer


ファーストアルバム
『pal@pop』好評発売中!
HDCA-10107
ワーナーミュージック・ジャパン
¥2,913(税抜)
ミュージシャン・プロデューサー、高野健一のユニット「pal@pop」待望のオリジナルアルバム。98年にソニーミュージックよりリリースされた伝説のデビュー曲「空想X」のセルフカバーを含む全12曲。コンピュータを駆使した曲調ながら、歌詞は、傷つきやすくても希望を忘れない青春の瑞々しさを、印象的に歌い上げている


pal@pop Homepage
http://www.palatpop.com/


Pal@pop/パル“アット”ポップ 高野健一さん

1971年、東京生まれ。高校卒業後、渡米〜ストリートミュージシャン〜ロンドン・NYの放浪生活〜舞台俳優などを経て、25歳の時に作ったオリジナル曲「空想X」がきっかけでソニーレコードが異例の新人レーベルプロデューサーとして契約。昨年より自身のアーティスト活動をスタートし、今年6月に発表したシングル「空想X」を自身のヴォーカルでリメイクし、話題となり「HEY!HEY!HEY!」のエンディング曲に。現在まで他の多くのアーティストのプロデュースやフジTV系「EZ!TV」のテーマ曲なども手がける。この夏、98年のデビュー以来、初のアルバムをリリース。その活動が注目されているアーティスト




新人でありながらソニーレコードに個人レーベルを与えられてのデビューと言う、衝撃的な登場から4年。「Chappie」等多くのプロデュースで活躍していたPal@pop/高野健一さんが、待望の1stアルバムを発表した。Macを駆使した制作スタイルはいかにもニューエイジの音楽と思われがちだが、ご本人は「人間らしさ」にこだわっていると言う。




――高校時代から作曲を始められたということですが、最初からコンピュータで曲作りをされていたんですか?

「いや、最初は普通にフォークギターからです。ヒット曲を覚えて歌うことから始まって、やがて自分の頭に浮かんでくるメロディーをカセットに録音したりして。バンド活動は、遊びではちょっとやったことあるんですけど、演奏するというよりは曲を作る方が面白かった。その頃はアメリカで日本語教師をやりながらシーケンサーとMTRで曲を作って、デモテープをあちこちに配りまくったりしてました。初めてMacを買ったのは日本に帰ってきてからの24歳の時です。Power Macintosh 8100AVを。Macを選んだというのは自然な流れでしたね。音楽業界にはMacユーザが圧倒的に多かったし、周囲もMacユーザばかりでしたから。ただ、今になってみるとMacってすごく感覚的な気がする。そういうところがミュージシャンに好まれるのかなあ」


――デビュー曲の「空想X」は、自宅で録音した音源がそのままCDになったとうかがいましたが?

「うーん、僕は録り直したかったんですが、スタッフが、このままで行こうよって。クオリティがそれほど高かったかと言うと、そんなことはないと思いますけど。今度出たアルバムでは新しい録音になってますが、あれから数年しかたっていないのに、今はもうその頃より機材のクオリティが格段に上がってますよね。しかも、一般に手に入る機材でCDまで作れちゃう。あとはオリジナリティだけが問題になってきますね。これまではいくつもの人手を加えて作っていたものが、そうやって一人でできるようになってくる。良くも悪くも、より閉鎖的になりますけど、その結果がコアなオリジナリティにつながるのか、それとも誰にも聞かれないようなものになってしまうのか、紙一重ですね。僕は、一人で作ることで、より自分らしさが出せたらなと思っているんですが」


――音楽業界にMacが導入されるようになって、それまでの曲作りと何か違いが生まれてきているということでしょうか?

「それはもう、すごく大きな変化が生まれていると思います。音楽をやってる人で、Macを触ってない人の方が少ないはず。僕はもともとプレイヤーではないので、基本的に弾けない(笑)。だけど、コンピュータを使うことによって、頭の中のイメージを、演奏力という『肉体の枷』から解き放つ事ができる。イマジネーションのウエイトが大きくなって、より自由度が増している。そのかわり、プレイヤーから『こんなの弾けません』って文句が出たりすることがありますけど(笑)。そういう時はですか? しょうがないんで、直します(笑)。だけど、ここまでコンピューターが生活の中に入りこんでくると、これまでのようにやれ無機質だのロボットみたいだの言ってられない。逆に、より有機的な部分が大切になってくると思うんです。コンピュータって、あくまで手段なんです。『人』が変わるわけじゃない。音楽って、人間の体温が一番大切なんだと思う。楽曲が無機質なものになっていくからといって、人間のハートがなくなるということではないんです。ただ、僕に関して言えば、楽曲に使ってる声は、あくまで人間の声なんですよ。基本的に、音は生音なんです。ピアノもドラムも。それをコンピュータに取りこんで編集したりミックスしたりしてる。いわゆる『コンピュータで作った音』というのは、少ないんです」


――最後に、同じようにMacを使って音楽作りをしている人達になにかアドバイスをいただけますか。

「バックアップはしっかりとりましょう(笑)。セーブはこまめに。自宅で仕事してた頃は、ブレーカーが落ちて大騒ぎしたことがありますからね。あ、だから アンペア数も上げた方がいいかな」


――ありがとうございました。

text by:石上耕平

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