人間と藝術

虚構と現実の境界線

架空の黒人ミュージシャンの人形からスタートして、とにかく細部までリアルに作り込まれたジャズミュージシャン、作品のイメージごと人形と背景に盛り込んだ日本の作家シリーズ、そして、ほとんど伝説上の人物ともいえるニジンスキーに挑戦。オイルプリントなども手掛ける石塚公昭氏。単なるリアルではない、イメージとしてのリアル、虚構としてのリアルを表現する石塚氏の作品は、実物そっくり、という次元ではなく、実物が持つ空気感や佇まいを蘇らせるような力を持っている。それはフィクションだからこそリアルに迫ってくるような作品。そんな作品が、どのようにして生まれるのか。その秘密の一端を、リンククラブ会員でもある石塚氏に訊ねてみた。


石塚公昭さん
Kimiaki Ishizuka


東京生まれ。
1977年東京クラフトデザイン研究所陶磁器科卒業後、岐阜県瑞浪市、茨城県高萩市にて製陶業に従事。
1982年「ブルースする人形展」より、人形作家としてのキャリアがスタート。その後、江戸川乱歩、谷崎潤一郎、寺山修司、稲垣足穂などを製作した「作家シリーズ」や、デジタル加工も取り入れたオイルプリントなど、作品の幅を広げていく。1997年のサントリーホワイトのCMや、紀田順一郎著「神保町の怪人」の表紙など、テレビやCM、書籍などの仕事も多い。2002年6月に新作の個展開催予定。
石塚公昭さん
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