大好評「マジックガーデン」の商品の魅力を伝えるための講座

販売につながる商品撮影の基礎 実践編 2

「マジックガーデン」のショップオーナーさんに向けて、最良の写真を撮るための知識とテクニックを数回に分けてお届けします。今回のテーマは「パッケージ(袋入り商品)の撮影」です。

透明な袋に入った商品の撮影の注意点

 中身が見えるようにビニールパッケージで包んで販売する商品があります。おせんべいやクッキー、飴などのお菓子類やハーブティー、紅茶の葉などがその代表です。

 ビニールの袋でくるまれた商品を撮影する場合、気になるのはパッケージがテカテカに光ってしまい、中身が見えにくくなることです。ビニールパッケージに入っていることを知らせるには、むしろある程度のテカリが見えるほうが自然ですが、あまりにも露骨なテカリは商品が魅力的に見えないので、好ましくありません。悪い例は、ラベル(主にシール)に記してある商品の名前が読めないケースです。テカテカに光っている商品写真を見ると、そのほとんどが商品を床に寝かせ、真上から俯瞰して撮影しているようです。

 袋入り商品の撮影は、背後に支えになる物を置いて、あるいは背後をテープで固定して商品を立てて、真正面から撮影するのが基本です。そうすると光って見える部分が少なくなります。


デジカメスタジオの中に凹凸のあるグリーンの紙を敷いて、透明の袋に入ったプリッツェルを撮影。ライトは上と正面から当てました。

基本はライトを上から照らす

 上から照らすのが、パッケージものの撮影のライティングの基本です。上からライトを当てることで、袋の中にまで光が注がれ、また余計なところがテカらないようになるからです。

 ライトを1台だけ所有している人は、上から1灯当てるだけで十分です。2台持っている人は、もう1台のライトを正面から当てることでラベルをきれいに見せることができます。ライトを2台使う場合は、1灯ずつ点灯したり消したりして、ライトが商品にきれいに当たっていること、余計な場所が反射していないことを確認してから撮影してください。 デジカメのピントは、中央のラベルに合わせてください。カメラの高さは、商品と同じかやや高い位置が適切です。
●ライト2台のライティング 背景だけ変えてみる
 上の商品写真と同じライティング。背景を水色の布に変えるだけで商品の印象が異なりました。
●ライト1台のライティング
ライトを真上からだけ当てた写真
 「ライトは上から」の基本に忠実な写真で問題はありませんが、「もっとラベルに光を当てたい」と感じたら、ライトを少しずつ前に移動させてください。
ライトを正面上からだけ当てた写真
 ラベルに光が当たるようライトを移動し、正面やや上から当てると、真上から当てた写真よりもきれいに撮れるケースがあります。

中身を取り出して撮影してみよう

 透明の袋に入ったお菓子などは、パッケージの状態とはほかに中身を取り出し、商品だけを撮影することを提案します。「マジックガーデン」では、ひとつの商品を5つの写真で紹介できます。ぜひ中身も撮影してください。
 その場合、メイン写真とは異なるバリエーションをつけるために、こんな工夫ができます。一例としてスコーンを自宅にあるカゴを使って撮影してみました。

ビニール袋に入った2種類のスコーン。
これだけ見ても、すぐに「買いたい」という気持ちにはなりにくいものです。

デジカメスタジオの中央にカゴを置きます。ライトは斜め上の1台のみ。   カゴをくるむように麻の布を置きます。くぼみにスコーンを数個置いて撮影します。

商品の質感、風合いを出すための工夫

 スコーンはひとつひとつの形が微妙に異なります。それが手作り感にもつながっています。これはおせんべい類にも共通します。こうして袋から数個を取り出して、商品に寄り気味で撮影することで、表面の質感が表現できます。
 背景に使用した麻の布は、スコーンの風合いを出すための演出です。この撮影の場合、スコーンを全部並べて見せる必要はありません。この写真を見た人に、スコーンのサクッとした歯ごたえや質感をよりリアルに想像してもらうためのイメージを優先した商品写真です。
カゴに深さがあるので、カメラの位置はやや高めから撮影しました。ライティングは斜め後ろから1灯です。